新婚さん向けメルマガで、お墓について語りました
先日、寺社コンが提携している結婚相談所・ブライダルチューリップで、成婚された方のみに発行しているメルマガにコラムを書いてほしいというご依頼を頂きました。
テーマはお墓。なぜなら、お盆だから。
うーん。新婚さんにお墓について語っても嫌がられないだろうか。いや、新婚さんだからこそ、お墓なのか。ということで今回は、寄稿したお墓コラムの転載です。
まあ、お坊さんやお寺業界の方には初歩の初歩すぎる内容ですが。うちのブログは寺社が好きな一般の人も読まれているので、そんな方にはためになるかなと思います。
特に「永代供養」という言葉は、一番最初にほーりーが聞いたときも、先祖代々から続くお墓の事を指すのかと勘違いしましたし。
ということで、以下は寄稿コラムでーす。
お盆の前に、お墓の豆知識
初めまして。株式会社寺社旅の社長を務める堀内克彦と申します。
ちょっと変わった社名のこの会社。お寺や神社の宿泊施設・宿坊を紹介する『宿坊研究会』や、寺社が好きな男女の縁結び企画『寺社コン』、お坊さんを対象にした研修講師、お寺のコンサルティングなど、寺社に関わる様々な活動を行っています。
そして今回はチューリップ倶楽部アルムナイ様とご縁を頂き、お盆なのでお墓について書いてほしいというお話を受け、登場させて頂くことになりました。
私は霊園会社の顧問も務めています。ですがここで、お墓の売り込みまで行うつもりはありません。というよりも、メルマガの挨拶程度で売り込んだとしても、まず誰も買ってくれないのがお墓です。
なので今回はシンプルに、お墓を取り巻く状況を豆知識として紹介します。
そもそもお墓なんて縁起が悪い。死ぬことなんて、考えたくない。きっと誰もが、そう思うでしょう。新婚夫婦が読むこのメルマガでは、場違いのような気もします。
しかし恋人が家族になった瞬間から、お墓の問題はいつかやってくるものです。そして現代はお墓事情が複雑化しており、パートナー同士でお墓について語る機会もあまりないのではないでしょうか。
現在、主流になっているお墓は2種類あります。一つは先祖代々が眠る「代々墓」。いわゆるこれまで伝統的に受け継がれてきた「○○家の墓」と言うものです。
そしてもうひとつは個人や夫婦、長くても子供や孫まででクローズする「永代供養墓」です。
ここでちょっと注意しておきたいのが「永代供養」という言葉。これは永代なんて言葉が使われるので、子々孫々に渡って長く続きそうなイメージはありますが、受け継ぐ人がいない方のために作られたお墓です。
管理する人がいなくなっても、お寺などがずっと供養していきますよという意味で、「永代供養」という言葉が使われています。
このため通常のお墓と異なり、あまり大きなスペースが取れないことが一般的です。合祀墓や納骨堂に大勢のお骨が納められ、全員まとめて埋葬という形になります。しかしその分、安く済む利点もあります。
私が顧問を務める霊園会社・アンカレッジで、全国の既婚女性242人を対象にお墓に関するアンケートを行ったことがありました。その中にあった「誰と一緒にお墓に入りたいですか?(複数回答)」という質問で、夫と答えた方は64.5%いたのに対し、夫の両親は8.7%、夫の先祖は5.4%でした。
これはけっして、夫の親族と仲が悪い人ばかりが答えたわけではありません。同じ調査で「夫の死後も夫の親族との付き合いを続けたいですか?」というものがありましたが、45%は続けたいというポジティブな回答でした。
夫がいなくても半数近くが夫の親族と関係は保ちたいものの、お墓となると20人中18~19人は一緒に入ることを希望しないわけです。その意味で特に女性視点では、「代々墓」が好まれていない世間の空気が伝わってくるでしょう。
なのでもしも奥さんは当然、うちの家のお墓に入るものと思っている旦那さんがいたとしたら要注意です。
またこの2つの他にも、新しい葬送の形は増え続けています。件数で言えばまだ少数ですが、海や山への散骨やロケットに乗せて宇宙へ打ち上げるサービス、遺骨を圧縮してダイヤモンドアクセサリーにする手元供養など、スタイルは多様化してきました。
それぞれに長所・短所がありますが、ご興味あればご両親や自分たちが眠る場所をどこに定めるか、夫婦で話し合ってみるのはいかがでしょうか?
ということで、、、
寄稿したコラムはここまでです。
コラム中に紹介した既婚女性のアンケート詳細は、こちらもご覧下さい。
また、コラムでは一般的な話として「永代供養墓=合祀墓や納骨堂に大勢のお骨が納められ、全員まとめて埋葬」と書いていますが、アンカレッジの樹木葬では一定年数は個人のスペースを確保してそれ以降は合祀と、これまでのお墓+小スペースの合わせ技のような形態を取っています。
お墓も人の心やライフスタイルに合わせて、どんどんと種類が増えていきます。新婚さんがいつもとちょっと異なる視点で人生を考えるきっかけになれば何よりです。