宿坊オンライン内覧会を開催! 宿坊開設の現場を学ぶ会になりました
先日、去年から今年にかけて誕生した宿坊住職にお集まりいただき、『宿坊オンライン内覧会』を開催しました。以下はその内容を書いた告知記事です。
このイベントはオンライン会議システムのZoomを利用し、福井県・安楽寺、京都府・海蔵寺、山口県・二尊院の客室が一気に見られるお得なイベント。そして今回はそれぞれの宿坊が開かれた現場に焦点を当てて、宿坊開設までの試行錯誤や紆余曲折を語って頂きました。
宿坊オンライン内覧会を開催しました
冒頭ではほーりーからの挨拶と、全国寺社観光協会の和栗さんから宿坊が現在どのようになっているか、その状況をお話し頂きました。
そしてそこからいよいよ内覧会。それぞれの宿坊が順番に映し出されて行きましたよ。
福井県・安楽寺の宿坊内覧会
福井県は日本海に沿って南北に広がっていますが、安楽寺があるあわら市は石川県と隣接した福井の中でも一番北側に位置する街です。
そしてこの安楽寺で宿坊がスタートしたのは2021年に入ってから。そんな誕生したばかりの宿坊を運営しているのが杉本成範住職です。
ほーりーもまだ行ったことがないお寺ですので、さっそく宿坊を見せて頂きました。杉本住職は華道も習われているとのことで、宿坊には立派な花が生けてあったり。
そして客室はこんな感じです。オンラインで映し出された映像をキャプチャーしているので、どうしても画質が荒くなってしまいますが、当日はカメラを動かしながら隅々まで拝見できたので臨場感がありました。
京都府・海蔵寺の宿坊内覧会
続いて京都の海蔵寺、天野祐至住職が登場です。海蔵寺は京都と言って多くの方が思い浮かべる京都市内ではなく、日本海に突き出た伊根町にあるお寺です。
こちらの宿坊で目を引くのは、桜と龍が描かれた襖絵です。海蔵寺は境内にある樹齢500年ほどの桜で有名なお寺ですが、この樹にちなんで宿坊は『櫻海(おうみ)』と名付けられ、客室内にも電気スイッチやお風呂の壁、布団など桜模様が随所に取り入れられています。
さらにインパクトがあったのは、客室に設置された冷蔵庫です。中にはお酒が入っているのですが、よく見ると『煩悩の扉』と書かれています。
また、カップラーメンが入った『煩悩の箱』もありました。お寺としてきっちりしたところと笑いどころを両方取り入れたいとのことで、こうした名前を付けられたそうです。これは煩悩を解き放たずにはいられませんね。
山口県・二尊院の宿坊内覧会
二尊院は本州最西北端、向津具(むかつく)半島にあるお寺です。ご案内下さったのは田立智暁住職です。
こちらは庫裏と宿坊が一体となった建物を新規で建設されました。当日はスマホからだったようで、映像はちょっと縦長です。
そして客室はこんな感じです。紺色の壁紙が鮮やかで、とても印象的ですね。ほーりーも昨年宿泊させて頂いたので、その時のことを思い出しました。
ということで、、、
それぞれの宿坊を内覧した後、トークセッションも行いました。内容は参加者からの質問に答えて頂く形式です。
今回は宿坊を開設したいお寺の方が中心だったこともあり、宿坊開設にかかった初期費用や運営形態、行政手続きや税金の話など具体的な話が盛りだくさんでした。
また宿坊開設に当たって檀家さんからどのように合意を得ていったのか、地域の中でのお寺の位置づけや宿泊者との関係作りなど、お寺と人とのコミュニケーションにおいても学ぶことは多かったです。
この辺は事前打ち合わせのレポート記事に似たようなことを書いたので、よろしければご参照ください。
今回はこの半年ほどでオープンした宿坊のご住職にお集まり頂きましたが、参加された方のアンケートを見ても、まだまだ聞きたいことはたくさんありそうでした。引き続きいろんな宿坊の方を招いて、お話し頂くのも面白そうですね。
宿坊開設はけっして低いハードルではありませんが、みんなで協力しながら少しずつでも輪を広げていけたらと思います。