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寺社Nowに見る「寺泊」が閣議決定して観光白書に盛り込まれた流れ

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寺社Now

いよいよ2019年もあとわずか。そんなわけでほーりーも今年一年の振り返りを行っていますが、今日は全国寺社観光協会が発行する会報誌『寺社Now』を読み返していました。

主な目的は、今年の6月21日に閣議決定された『令和元年度版観光白書』に「寺泊」が盛り込まれた件について、その流れを整理することです。

そもそも何それ? って方も多いと思うので解説すると、観光白書は観光立国推進基本法に基づき、観光の状況や施策などを国会に報告しているものです。

詳細は観光庁のサイトに資料が載っているのでご覧頂けたらと思いますが、「寺泊」に関連する部分を抜粋すると、『泊まって楽しむ体験型宿泊コンテンツを開拓する取組の推進』という項目に、お城の宿泊「城泊」とお寺の宿泊「寺泊」を日本の観光施策として進めていくことが記載されています。

また現在は宿坊を開いていく上で制約になっている、古建築への旅館業法適用なども改善していくことが述べられていました。

「建築基準法」、「消防法」、「旅館業法」、「文化財保護法」等について、歴史的資源を活用した観光まちづくり官民連携推進チームに寄せられる地域からの相談・要望の具体的な内容を随時整理・分析し、適時適切に規制・制度の改善を進める。

ほーりーもいろんなお坊さんから宿坊を作ろうと保健所に相談に行ったけど、営業許可の取得が難しくて諦めたという話を聞いています。そうした環境も、これから変わっていくことが期待されます。

「寺泊」が閣議決定して観光白書に盛り込まれた流れ

そしてこの「寺泊」が観光白書に盛り込まれた流れは、全国寺社観光協会や全日本社寺観光連盟が議員さんや観光庁、文化庁の方などに提言していったことが、寺社Nowを見ていくと読み取れます。

社寺観光研究会

その大きな起点の一つは、2017年12月に作られた『社寺観光研究会』です。こちらは全日本社寺観光連盟が主宰し、50社を超える企業・団体が参加。オブザーバーとして観光庁や文化庁も加わっています(寺社Now Vol.18)。

そして2つの分科会が立ち上げられましたが、一つは『社寺観光開発分科会』、もう一つが『宿坊事業促進分科会』です(寺社Now Vol.20)。名前を見た限りで推測すれば、「社寺観光」の中でも「宿坊」は独立して検討するほど、大きなテーマであったということでしょう。

さらにこの『宿坊事業促進分科会』では、「宿坊展開を考えている社寺の補助金活用などに関する政策提言、社寺が宿坊や簡易宿泊に新たに取り組みやすい法律改正の提言」も報告されたようです(寺社Now Vol.22)。

また一方で、観光庁が公募した『テーマ別観光による地方誘客事業』では、受託17事業のひとつに全日本社寺観光連盟の「社寺観光 巡礼の旅」が選定されました。特に2018年度は「宿坊」に特化した事業も行われています(寺社Now Vol.21)。

そんな中で、2019年3月に首相官邸大会議室において行われた『観光戦略実行推進会議』に、全国寺社観光協会の関連団体である株式会社和空が招聘され、「テラハク」について説明する機会が設けられました(寺社Now Vol.25)。

そしていよいよ2019年6月、政府の今後1年を目途とした行動計画『観光ビジョン実現プログラム2019』や閣議決定された『令和元年度版観光白書』などに、「寺泊」が盛り込まれたのです(寺社Now Vol.26)。

令和元年度版観光白書に寺泊が記載

ということで、、、

宿坊はお寺や神社にとっては、布教の入り口や経済基盤の獲得につながるものですが、観光立国や地方創生、各種産業の新興といった面でも積極的に推し進めていくキーワードになってきています。

2020年はオリンピックイヤーでもありますし、日本文化を世界に発信する流れもさらに加速していくでしょう。

以前、寺社と企業、それに行政が手を組む場面は増えていくだろうと予測した記事を書きました。

『産宗官』の重要性。これからの寺社が押さえるべきキーワード

あれから3年足らずでここまで話が進むとは思いませんでしたが、今後はさらにダイナミックに動いていくはずです。宿坊が数百軒は新たに生まれても、不思議ではなさそうですね。

ほーりーも泊まりに行きたい宿坊が増えて困ってしまう状況ですが、引き続き2020年も宿坊旅行を楽しんでいきたいと思います。

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