1. TOP
  2. 03.寺社旅研究家のアイディア集
  3. 01.寺社活性化
  4. あなたが居心地良い場所は、誰かにとっては居心地が悪い

あなたが居心地良い場所は、誰かにとっては居心地が悪い

コミュニティスペース

浄土真宗の法話案内というサイトがあります。こちらは名前の通り、浄土真宗のお寺で日々行われている法話日程を紹介したサイトです。

こちらに先日、『初心者と熟練者が混ざりにくい浄土真宗の教えの特性』というコラムを寄稿しました。

ご興味あったら上記をお読み頂けたらと思いますが、要点をまとめると

●浄土真宗は法話を中心にする特性上、座禅などと比べて初心者と熟練者が混ざりにくい
●宿坊の良さは一見さんが入りやすいことと、常連だけでコミュニティが固まりにくいこと
●浄土真宗の宿坊は他宗派と比べて最少なので、これを取り入れてみたらどうか

ということです。

そこで今回は、コミュニティに入り口を作るポイントをまとめました。

コミュニティの本質は、「仲間を区切る」こと

コミュニティでも、共同体でも、サンガでも良いのですが。人と人とが集まるということは、「仲間を区切る」ことです。これはつまり、「仲間じゃない人」を作ることとも言えます。

コミュニティ作りにおいて「どんな人でもウェルカム」を目指す人がいます。ですがこれって理念は立派ですが、あまり本質的ではありません。

例えば私は、寺社が好きな男女のみが集まる婚活イベント『寺社コン』を行っています。ここに参加する条件は

・ 独身で彼氏、彼女がいないこと
・ まじめな出会いを意識していること
・ お寺・神社が好きであること

です。

「面白そうな体験が並んでいたけど、婚活なので参加できなかった」と言われたこともありますが、寺社コンはこうした人をお断りすることで成り立っています。独身じゃなくても出会いを求めていなくても、寺社が好きじゃなくても誰でもいいよ。みんな集まった中で恋愛にも結びついたらいいよねじゃ、誰も目的を果たせないわけです。

最近では友達作りも否定しているくらいです。その方が結婚確率が3倍近く上がるので。

区切られた外の世界と向き合う場合

しかし今まで想定していなかった新しい人を呼び込む場合、外部の人と既存メンバーをどう融合させるかは重要です。これまでのお寺は檀家や門徒など、既存メンバーだけでやっていける時間が長すぎました。その分、雑に外部と混ぜるとお互いに戸惑う結果になりかねません。

コラムで指摘した浄土真宗は、まさにこの状態です。浄土真宗はひたすら法話を聞いて、聞いて、聞きぬくことが大切と言われる宗派です。ですが法話は初心者と熟練者が混ざりにくい性質があります。大げさに言えば小学生と大学生が一緒に授業を受けるようなもので、どちらか一方の満足度を上げるともう一方の満足度が下がります。

また、初心者はもともと立場が弱い人間です。なので強者(コミュニティの主催者や常連)には、文句を言うことなく去る傾向も強いです。これは浄土真宗に限定した話ではありませんが、「どなたでも歓迎します」と言われていても、実際には居心地悪くてとてもいられないというお寺はたくさんあります。しかしそんなお寺こそ、長年足を運んでいる人には最高の居心地だったりします。

あなたが居心地良い場所は、誰かにとっては居心地が悪い

あなたが居心地良い場所は、外部の人間にとっては居心地が悪い場所です。外と区切っているからこそ、コミュニティ内は居心地が良くなっているとも言えます。

なのでもちろん、外から人が入れなくすることも一つの方法です。会員制や一見さんお断りは、コミュニティ維持に役立つのであれば悪いことではありません(お寺がみんなその方向になると、私としては悲しいですが)。

ですがやはりご縁のある人には輪を広げていきたいというのであれば、自分たちが大切にしているコミュニティの核は守りながら、入り口部分は大胆に相手に合わせていくことも必要です。新たな人が入るからこそ場は活性しますし、それは既存メンバーにも大きく還元されます。

宿坊のような常連の固まりにくコミュニティは、外と内をつなぐ緩衝材にもなります。お互いの中間地点を積極的に作ることで、初心者がスムーズにお寺に入り込めるようになるでしょう。

\ SNSでシェアしよう! /

ほーりーの旅ブログの注目記事を受け取ろう

コミュニティスペース

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ほーりーの旅ブログの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • コスパに優れた耐震設備、仕口ダンパーの取り付け工事を見てきたよ

  • お坊さんが顔と名前を出す『まいてら』の面白さ

  • 葬儀に白ネクタイで参列するのは、本当に不謹慎なのか?

  • コロナ・戦争・円安は、困窮者を追いつめる要因になっていく

  • 美坊主コンテストを痛烈に批判する人が見ようとしないもの

  • 絵の描けない人が漫画でメッセージを伝える3つの手法