お金のためだけに働いている人は、AIや機械に仕事を奪われる
囲碁の世界最強棋士と言われる柯潔(かけつ)九段と、グーグル傘下の英ディープマインド社が開発した「アルファ碁」の対局。AI(人工知能)の3連勝というニュースが、世界を駆け巡りました。
その後、アルファ碁が学習した棋譜が公開され、朝日新聞によるとプロの棋士達ですらこれまでに全くなかった斬新な打ち方に驚きの声をあげています。
世界最強棋士との三番勝負で完勝した囲碁AI(人工知能)「アルファ碁」を開発したグーグル傘下の英ディープマインド社が、対局に備えて積み重ねたアルファ碁同士による自己対戦の棋譜50局を公開した。棋士の理解を超える着手の連続に、「こんな碁はいまだかつて見たことがない」と碁界は騒然としている。
チェスや将棋でも同様のことは起きていましたが、さらに打ち手の選択肢が増えた囲碁でもAIは人間を凌駕してきました。このところ盛んに言われるシンギュラリティ(人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事。AIが自分より優れたAIを作り出すと、進化が無限に加速するとも言われている)が近づいてきたかもと思ってしまいます。
将来的には義手・義足のパラリンピック選手が、オリンピックメダリストの記録を破る可能性も指摘されています。本格的な交響曲やオペラの作曲さえ、コンピューターが行えるようにもなってきました。私のような企画や執筆で生きている人間も、いずれは人工知能が生み出したアイディアに圧倒される時代は遠くないでしょう。
世界一の人間すら負ける日が来るんだもの。自分(あるいは自分の業界)だけは大丈夫なんて思っている人がいたら、それはよほど世間知らずか自信家だけですよ。
AIやロボットが人間の雇用を奪う日
まあ、プロ棋士やメダリストは遠い世界の話として。もうちょっと生活に直結した話題では、AIやロボットが人間の雇用を奪って、人類は総失業時代を迎えるのではなんて話もあります。
分かりやすい話だと本屋です。Amazonの席巻により、街の書店数は激減しました。
これから起きてくるのは、車の自動運転技術です。先日公表された経済産業省の新産業構造ビジョンによると
・2018年にはモデル地域10箇所における⾃動⾛⾏実証
・2020年には無⼈⾃動⾛⾏による特定地域での移動サービス等の実現
・2020年以降はサービス地域の拡⼤/無⼈⾃動⾛⾏⾞の市場化
が、目標に掲げられています。
もしかしたら後5年もすれば、市街地は無理だったとしても高速道路を走るトラックは自動運転に置き換わっているかもしれません。
コンビニのセルフレジとか、日常会話の通訳とか、医療の電子カルテとか、もはやあらゆる分野で仕事が自動化されていくことは避けられないでしょう。
漫画家やイラストレーターだって名の知られている大御所はともかく、チラシに載せるちょっとした絵とかはフリー素材も増えていますし。
以前に私が描いた宿坊四コマだってこのクオリティです。こちらは漫画制作ソフトの体験版をダウンロードして、1時間くらいでちゃちゃっと作ったものだったりします。
背景とキャラクターを選んで、表情と身体の姿勢や手の動きを調節して、セリフを書いて出来上がり☆ すごい時代になったものだと驚いたものです。
本来のほーりーの絵も、比較として載せておきましょう。見よ、5歳の姪っ子にすら負けるこの画力を。
カメラマンもきれいな写真を撮れるだけでは、びっくりするほど仕事がなくなっているそうです。
ということで、、、
技術がどんどん進歩していく時代ですが、まだまだ機械が手を付けていない分野があります。それは情熱です。ひとことで言えば、これからは技術より情熱の方が価値が高まります。
ほーりー自身を例に挙げれば、18年間宿坊について研究してきたことは、情熱を示す一つのバロメーターです。こうした宿坊や寺社がとことん好きということが一つのキャラクターになり、ほーりーにはいろんな仕事が舞い込んでいます。
技術より情熱の価値が高まる時代がやってくる。結果よりプロセスが求められる場面が増えてくる。それはもしかしたら与えられた仕事に真面目にコツコツ取り組むことより、大変なのかもしれません。ですが「真面目にコツコツ」だけでは行き詰まる時代が、少しずつ見えてきています。
AIやロボット技術の発達で仕事が消えると危惧している方は、目の前の仕事でも趣味でも、もっとワクワクしながら情熱を持って取り組むことです。
そしてそれができないようなら、居場所を変えてしまっても良いでしょう。
我慢していれば無事に定年を迎えられる時代は過ぎました。死んだ顔して機械のように働くだけなら、それこそ本物の機械に取って替わられますよ。