フェイスブック社名変更バブル到来! メタバースと寺社は相性が良い
ご存知の方も多いかもしれませんが、2021年10月にフェイスブックが会社名を『メタ(Meta)』に変更しました。メタとは「メタバース」に由来したものですが、このメタバースはメタ(超越した)とユニバース(宇宙)を組み合わせた造語です(なお、SNSサービスとしてのフェイスブックは名前に変更ありません)。
そしてこの1ヶ月あまり、急速にメタバースという言葉が語られだしました。フェイスブックが社名を変更したのには、SNSの成長に陰りが見えていることや、独占禁止法(反トラスト法)違反で起訴された批判をかわすためなどネガティブな報道も見受けられます。ただそれを置いておいても超巨大企業が名前を変更してまで舵を切った領域ですし、この一ヶ月はお祭り状態です。
ほーりーもメタバースという言葉がこんなに使われだすとは思わなかったものの、もともとこの分野には興味がありました。もうちょっと言うとVR技術に関心があったので、その延長線上でメタバースにも目が向いていました。
今年の前半は自分で360度動画を撮影して、VRヘッドセットで見ながら遊んでいましたし。ただ持っている機材の性能が弱くて画質が荒く、没入感が売りのVRが楽しめなかったので、実戦投入には至りませんでした。
本当はお寺の法要とか、撮影してみたかったんですけどね。新しいカメラ&パソコンを買うと数十万円かかるのが、さすがにちょっと厳しかったです。
ビットコインなどの暗号資産が値上がりしていて、高性能グラフィックボードがマイニング需要で高騰し、家電量販店で予約しても取り寄せに1ヶ月以上かかると言われたのもくじけた一因でした(今はもうちょっと、状況がよくなっているらしいですが)。
他にもやりたいことはたくさんありますし、ひとまずVR動画が自作できたので、まあいいかなと。そんなこぼれ話はともかくとして、今回はメタバースはお寺や神社と相性が良さそうという話です。
メタバースってそもそも何?
メタバースはあちこちで語られすぎて定義や解釈も様々ですが、大まかに言えばインターネット内に作られた仮想空間を意味します。
メタバースという言葉は、1992年にアメリカで出版されてベストセラーとなったSF小説『スノウ・クラッシュ』から生まれました。ここで描かれているのは、全長65536キロもの長大なストリートがある電脳空間です。
また創作物で言えば、映画の『マトリックス』が例に挙がることも多いです。こちらはAIに支配された人類が仮想現実に閉じ込められるディストピアですが、究極形の一つとしては分かりやすい話です。
あの銃の弾丸をふにゃんと身体をそらして、よけるやつですね。ほーりーの妻が大好きな映画です。
他にも2000年代後半には『セカンドライフ』が流行りました。このサービスはアバターと呼ばれる自分の分身キャラを作り、インターネット内に作られた街や建物を歩きながら、他のユーザーと交流を図るものです。あまりに時代を先取りし過ぎたためか、コンピューターの能力が追い付かずに次第に忘れ去られていきましたが、サービスとしては今も存続しています。
そして現在、メタ(旧フェイスブック)によって再注目を浴びていますが、他にもマイクロソフトやソニー、ディズニーといった大手から世界各国のベンチャー企業、学術機関や個人までが開発競争に乗り出しています。
メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、今後10年以内にメタバースで世界10億人の利用を目指すと表明し、2021年だけでも100億ドル(約1.1兆円)の投資を行うと報道されました。
果たしてこれから人々の交流手段として一気に広がっていくのか。それともまた下火になってくすぶりながら、次のブレイクスルーを待つ展開になるのか。どちらにしても今後は見逃せない分野になろうと、ほーりーは予想しています。
メタバースが寺社と相性が良い3つの理由
そしてようやく本題ですが、ほーりーはこうしたメタバースとお寺や神社は、相性が良いと考えています。その理由には以下の3つあります。
(1)お寺や神社の建物は、メタバース上でもシンボルになりやすい
(2)お坊さんや神主さんは、アバターとしても目立つ
(3)仮想空間であっても、お寺や神社はコミュニティの核になる
このうち(1)(2)は月刊住職の連載記事用に、この分野で活動しているお坊さんを取材してきました(そのうち載るので、よければ見てください~!)。具体的には、以下の2者です。
まずはテトリスを抜いて世界で最も売れたゲームになった『マインクラフト』で、築地本願寺の本堂を作ってみようというプロジェクト。
そしてもう一つは(以前にブログで紹介した記事ですが)、Nintendo Switchで大ヒットしている『あつまれ どうぶつの森』の中にお寺を建立したお坊さんの話です。
現在のメタバースは、まだまだ発展途上です。マトリックスのような現実世界と見間違える空間になるのは、しばらく先の話になるでしょう。そうすると低解像度の中で、どれだけ目立てるかはキーポイントです。そしてデザイナが-作ったビルやオシャレなカフェを再現しても差別化は難しいですが、お寺や神社はデフォルメしても認識して頂けます。
そして最後の理由(3)は、このブログでもう10年くらい言い続けていますが、お寺や神社にとってコミュニティ作りは多くのアドバンテージを持った領域です。それは仮想空間内であっても揺らぐことはないでしょう。
ということで、、、
メタバースは社会全体で、まだまだ試行錯誤の段階です。上記2つの事例もまだ、多くの人がお参りできる形にまでは進んでいません。
ただひと昔前はウェブサイトを持つ寺社さえまれだったことを考えれば、いずれはメタバース別院や分祠が増える可能性すら感じさせてくれるでしょう。
今回挙げたゲームの他に、VRChat、cluster、Neos VRといったソーシャルVRも増えています。こうした仮想空間で辻説法が人気になるお坊さんの登場も考えられます。
メタバースは今後も様々なサービスが出てくるでしょうが、こちらにアンテナを張っておくと、面白いものが生まれてくるかもしれません。