コロナが落ち着き交流は増えたけど、孤独を感じる人は減っていない
コロナ禍が落ち着いて対面での交流が戻る中、ほーりーは世の中の孤独に対する悩みがどのように変化するかに注目していました。
孤独に関する意識は、内閣府による『人々のつながりに関する基礎調査結果』が詳しく報告しています。こちらは世の中に孤独を感じている人がどのくらいいるか、そしてそれはどんな人が感じているかを細かくまとめたものです。そして今年公開された最新版を見た時、ほーりーは率直に「当てが外れた」と思いました。
私の予想は自粛生活が終わったのだから、世の中の孤独感は少し和らぐというものです。しかし下のグラフにあるように、孤独を感じる人の割合はほぼ下がりませんでした。
これはもう少し丁寧に説明すると、2021年から2022年にかけて孤独を感じる方は有意に増えています。これは自粛生活の長期化が影響しただろうことが想像できるでしょう。
しかし2023年5月に新型コロナウィルスが5類感染症に移行し、対面での交流も戻ってきました。なのでそれから一年も経過すれば孤独を感じる人は、ある程度減ると予想したわけです。
しかしこの考えは、ちょっと楽観的でした。少なくとも2024年の結果は、2022年、2023年とほぼ同水準です。孤独を感じる人がこれから減少に転じるかは分かりませんが、社会があまりよい方に進んでいないことは感じます。
孤独を感じているのはどんな方が多いのか?
それでは実際どのような方が孤独を感じているか。これも引き続き、『人々のつながりに関する基礎調査結果』を見てみます。
ページ数が大量にあったため、ほーりーが読みながら特に興味を引いた部分を抜き出してみますが、まず大きく感じたのが現役世代が孤独だということでした。
下のグラフを見ると、20~50代が他の年代より孤独を感じている方が多いことが分かります。
するとなぜこの年代で孤独を感じる方が多いのか理由が気になりますが、データで示されていることの一つは一人暮らしの増加です。
20代から一気に孤独を感じる人が増えるのは、親元を離れて働く方が多いからでしょう。そして未婚率の高まりにより、それは50代まで続きます。
また60代以上は結婚している方が多いですが、80代になると配偶者との死別も多いので、再び孤独を感じる方が増えていきます。実際にグラフは作りませんでしたが、世帯構成別に調べた項目では「ひとり世帯」のみが飛び抜けて孤独を感じていました。
孤独はどの程度継続するものか?
一口に孤独といっても、そこには様々な幅があります。上のグラフでも区分けしてありますが、たまに孤独を感じる程度なら、人生のスパイスと言えるかもしれません。
一方で常に孤独に悩まされているとしたら、それは良い状態ではないでしょう。実際に孤独は1日15本の喫煙やアルコール依存と同じくらい寿命を縮めるとも言われています。
そこで常にまたはしばしば孤独を感じている方は、どの程度の期間それが継続しているかを抜き出しました。
こちらを見ると6割近くの方が、孤独感が5年以上も継続していることが分かります。これだけ長期に続くなら、やはりそれは心身にも悪影響を及ぼしてくるでしょう。
実際に他の項目では、孤独を感じている人の方が健康状態が良くないことも示されていました。
深刻な孤独を感じている方への対応
それではこうした常にまたはしばしば孤独を感じている方は、他者からの支援などが受けられているものでしょうか。これは行政機関・NPO等からの支援の状況という項目によると、全体の11.1%しか受けていないとのことです。
しかし支援を受けていない理由という項目では、「支援が必要ではないため」は31.3%でした。つまり7割近い方は何らかの支援が欲しいと思っているものの、受けられていない状況となっています。
つまり世の中にもうちょっと支援の手があれば助かる方は増えるでしょうし、このブログ的にはやはりそこでお寺や神社が何かしら役割を持つことができるのではと思うわけです。
と、いうことで、、、
最後に支援があればということに言及しました。これは経済的な支援もありますが、それより助言や情報提供などの相談支援が中心となります。
先日も名古屋でお寺によるコミュニティ作りについて講演してきましたが、お寺に人が集まるとこうした方が救われるきっかけにもなり得るわけです。
そしてデータを上から下まで見て大きく感じたことは、結婚することが孤独に対する何よりの処方箋ということです。もちろん結婚すればすべからく誰もが幸せになるとは言いませんが、これまで800人以上を結婚に導いた寺社コンを主宰しているほーりーとしても、出会いの機会作りは頑張りたいところです。