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日蓮宗の檀家さんがほーりーを全否定する5つの理由

身延山日蓮聖人御廟

今週末に大阪で宿坊トークイベント、京都で寺社コン、そして来週頭に身延山での活性会議と、久しぶりに予定が詰め込み状態のほーりーです。他にもいろいろ人と会う約束していたり。

そんなわけで現在は同時並行で準備中ですが、今回は日蓮宗総本山・身延山の話題です。

先日から身延山の活性化について、日蓮宗の方からアイディアを募集し、たくさんのメールやSNSでのコメントを頂きました。

そしてその中には当然ながら、身延山久遠寺の活性化なんて言語道断というご意見もありました。

それでさらに見ていくと、私にこうした声を挙げられる方って、お坊さんより檀家さんの方が多かったりします。

お坊さんからの否定の声は「んー、確かに身延山の活性は必要だけど、本山の意義はそれだけじゃないからな~」というどこか遠慮があるのに対し、檀家さんはまったく遠慮なしです。

○身延山久遠寺は神聖な場であり、物見遊山で入るのは冒涜だ
○マナーの悪い人間が来たら、静かにお参りできなくなる
○活性化なんてやめて、自然のままに任せるべき

などなど。お前は久遠寺の大切さを何もわかってないと、何人もから言われました。

日蓮宗の檀家さんがほーりーを全否定する5つの理由

もちろん日蓮宗のお坊さんの中にも、ほーりーの事を苦々しく思っている方はいるでしょう。ですが私がお坊さん・檀家さんと繋がっている人数では、前者の方がはるかに多いです。それでも檀家さんからの抗議の方が多かったわけですから、潜在数で言えばかなりの数と思います。

まあ、こうなる気持ちはすっごくよく分かります。そこで檀家さんがほーりーを全否定する理由を5つにまとめてみました。

自分が殴られるより大切にしている他者が殴られた方が、痛みを感じる

身近で尊敬している和尚さんが修行されてきたご本山。あるいは日蓮聖人から脈々と受け継がれてきた法華経信仰の中心地。そこに部外者が批判的な口出しをしている。そんなことなど我慢できないという方は多いでしょう。

つい先日、ほーりーも絶望的なセンスのなさという言葉を流行らせてしまい、私と無関係な人にお坊さんがこの言葉をあちこちで使っているのを見て、居心地の悪さを感じたものです(私に向けられるのは想定内でしたが)。

テレビに「布教」までさせようと思うこと自体、間違ってます

自分より他者が言われる方が嫌な気持ちというのは、人間にとって自然な感情です。私の言葉も人によっては建設的と捉えるでしょうし、他の人から見れば一方的な批判です。

私もまあ、身延山を殴ったつもりはないですが、お坊さん以上に殴られた感を持つ人はいるはずです。

身延山を他人事としてとらえている

檀家さんが経済的な面まで含めて身延山を自分事として捉えるのは無理がありますし、他人事だからどうだと言うつもりはありません。

が、やはりお坊さんと檀家さんの温度差として指摘するなら、この部分は大きいと感じます。

私も去年、日蓮宗宗務院の会議に参加したり、ダイレクトに身延山のお坊さんや宿坊、商店街の方とやり取りしたりした経験上、身延山を次世代まで残し伝えていくにはどうすればよいかという危機意識をビシビシ受け取りました。

それは部外者である私に、内情まで含めて強く強く訴えかけてくるほどです。

一方でとある檀家さんから頂いたメールの中で一つ象徴的だったのは、「活性化しなければ廃れるという意見もあるが、もし廃れてもそれは他人が意見するべきではない」というものでした。

私とこの方の考えている「活性化」の中身にも大きな隔たりがある(とにかくたくさん人が来ることが、この方は活性化と考えられている)気がします。が、それは置いておくとしても、廃れてもしかたないというのは潔さではなく投げやりなだけに私には見えます。

身延山の状況を知らない

これは私も具体的な数字で把握しているわけではありませんが、周り中のどの方から聞いても身延山の参拝者数や収入は減少傾向です。というか、激減レベル。

これもお坊さんと檀家さんでは情報格差があるので当然でしょうが、これから何かしらの変化を起こしていかないと身延山は本当に大変な状況になっていくというリアリティを、感じているかどうかの差があります。

それで思うのですが、日蓮宗のお坊さんは身内の恥なんて思わずに、もっとこうした情報も積極的に発信していくべきです。ちょうど、最近のヤマト運輸の宅配危機の流れが参考になりますね。この推察記事が詳しいですが、

1.ネット通販(主にAmazon)の拡大により配達員の人出が不足し、労働環境が悪化
2.需要の少ない12~14時の配達時間をサービスから除外し、休憩時間に当てる
3.未払い賃金清算
4.料金値上げ検討(←というか、予告)

こうしたことを、一つ一つリークしています。これもいきなり4だとすごいバッシングが起こるでしょうが、ていねいに状況を説明し、現場の改善にも努めることで値上げやむなしの世論を作り上げているわけです。

去年の世界最大級の寺社フェス『向源』なんて代表の友光雅臣さんが、私に直接赤字状況を語って情報発信させて下さいましたよ。

向源200万円目標未達の大ピンチ。借りたホールが攻めすぎた!

身延山情報が発信されなくても、檀家さんは何も困らない

私が常々言ってきた、身延山はもっと情報発信すべきという意見ですが、これほど檀家さんに響かない言葉もありません。

なぜならすでに何度かお参りしている檀家さんは、すでに身延山情報を知っているからです。またお参りしたことがなくても基本的には何も調べず、宿泊や食事などの面倒な手配をしなくても、頼りになる和尚さんが全部前に立って案内してくれます。

つまり檀家さんは情報がなくても最高級の対応で、身延山にお参りできてしまうのです。

一方、ほーりーのような旅行者は、情報がなければ何もできません。どこに何があるか、何日にどんな行事が行われているか、それが誰でも参加できるものなのかどうか、まったく分からないのです。

それでも私は(身延山に限らずあちこちのお寺でですが)断片情報をかき集めまくって、ときには現地に電話やメールで質問をして、最後はドキドキしながら飛び込んで、ようやくお参りしています。しかしそんなことをする人は世の中でも少数派で、大半の方は不安があるなら選択肢から外します。

なので檀家さんにとって情報発信は、自分たちが独り占めできていた空間によそ者を呼び込む敵とすら言えるものです。これが身延山活性化に対して「聖地を荒らすな」という感情の正体(の、一部)です。

メジャー化への抵抗

インディーズバンドが人気となり、メジャーデビューを果たしたら、旧来のファンがみんな離れてしまった。音楽業界ではよくある話です。

もちろん新たなファンがいれば旧来のファンは離れても仕方ないなんて話ではないですし、日蓮宗で言えば檀家さんは変わらず大切な存在です。

ただし必要なのは新旧コミュニティの融合や、もうちょっと現実的にはすみわけをどう作るかという概念です。こうした新しい人が来れば来るほど、昔から支えてくれている人に対する手厚いフォローも大切でしょう。

私のところにまで檀家さんの声が聞こえてくるというのは、身延山活性化に対して自分たちが置き去りにされるのではないかという悲鳴です。日常から檀家さんと接しているお坊さんであれば、そうした声と向き合う場面は私よりはるかに多いでしょうし、必要なのは新旧のファンと多面的に向き合う心構えです。

ということで、、、

Twitterで面白いツイートが流れてきたのですが、身延山と状況がすんごく似ています。

もちろん檀家さんの中にも、私をめちゃくちゃ熱い言葉で応援して下さった方もいて、全部が全部否定的な意見と言うわけではありません。

ただ、否定は肯定より大きな声で聞こえるものですので、それだけ慎重に俯瞰的に読み解くことが求められます。

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