身延山久遠寺が攻めてきた! 急速な変化を感じる3つの事象
久しぶりに身延山に関する記事です。ほーりーが日本でも有数の可能性を信じて追い続けている、日蓮宗の総本山・身延山久遠寺。その考えをまとめたものは、以下をご覧ください。
上のリンク先を読むのが面倒くさいという方向けに、ほーりーが以前、日蓮宗の本山活性プロジェクトに呼ばれて話した身延山のポテンシャルを以下の資料で紹介します。
ただ、日蓮宗のお坊さんや地元の方と話していると、なかなか一筋縄ではいかないね~という事情もあるようです。
それをまとめたのが、以下の記事です。
しかしね。このところ、その身延山がばっひゅんばっひゅん、動き始めています。そこでそんな変革の萌芽を、今回はまとめてみました。
身延山久遠寺の、急速な変化を感じる3つの事象
やっぱり大きいのは、ゆるキャン△
ゆるキャン△ あfろ 著 |
『ゆるキャン△』という漫画をご存知でしょうか。女子高生がゆるゆるとキャンプする、タイトルそのままの漫画です。ちなみに「△」はテントを表したピクトグラムで、文字としては読みません。もしも「さんかっけー」と読む人がいたら、それは10年前の流行りです。
そしてこの漫画(&アニメ)がすっごいヒットしているのですが、主人公たちは身延町やその周辺に住んでいる設定です。なので身延は聖地化して盛り上がっています。
そんなわけで身延山久遠寺でも、このゆるキャン△のキャラクターが案内してくれる紹介ビデオが爆誕しました。
#ゆるキャン△ ×身延山コラボビデオ(久遠寺境内で放映中)のBD&DVD が5月29日に境内札所、ロープウェイ売店、門前商店で販売開始
各務原なでしこ(CV:花守ゆみりさん)・志摩リン(CV:東山奈央さん)も声で登場(二人の映像はありません)
ゆるキャン△パート ©あfろ・芳文社/野外活動サークル— @Press (@miraiz_atp) 2019年5月22日
久遠寺の公式サイトにも、以下のように紹介されていました。
2009年に制作した旧版の「重厚」・「荘厳」な紹介ビデオを一新し、身延山の知名度向上、参拝客の増加、地域の活性化を目的として、身延町周辺を舞台にした大人気TVアニメ『ゆるキャン△』に登場するキャラクター、各務原なでしこ(CV:花守ゆみり)・志摩リン(CV:東山奈央)の声を本編に取り入れるなど、「明るく」・「親しみやすく」をコンセプトとした新版「身延山」を制作しました。
「重厚」・「荘厳」から「明るく」・「親しみやすく」へのスイッチ。こうした企画が生まれたことは、風向きが変わった表れにも感じます。
菩提梯をダッシュで駆け上がる修行走!
ゆるキャン△ブームは外部主導の、ある意味でラッキーなできごとです。そうした機運に乗ってきたこと自体、久遠寺の変化を感じますが、やはり内部の人間が盛り上がりを生み出すことも必要です。
そのムーブメントとして注目したいのは、『修行走』です。こちらがどんなものかは、PV動画を見て頂くのが一番早いと思います。
もともとこの修行走は、身延山や七面山を走るトレイルランニングレースとして企画され、毎回多くの参加者でにぎわっていました(ちなみに企画した中心人物は、宿坊のお坊さん)。
しかし今回は久遠寺をお参りされたことがある方なら、きっと誰もがひるむであろう、菩提梯(ぼだいてい)を一気に駆け登るレースです。距離350m、獲得標高100m、階段数287段で単純計算しても一段の高さが約35センチと、現代では作ることが多分不可能(比べる基準として適当かは分かりませんが、建築基準法では住宅の階段は23センチ以下)な石段です。
この菩提梯は久遠寺にとって、山門から本堂へと続く信仰の中心ラインとも言える場所です。仏教的意味としては、三門でお釈迦様、十六羅漢によって菩提に誘われ、菩提梯を上って悟りを得、久遠寺境内という浄土へ達するという流れになっています。
287段は7で割り切れるため、「南無妙法蓮華経」をお唱えしつつ一段一段登ると良いともされています。
このためこの修行走も見方によっては、信仰の冒とくと捉える方もいるかもしれません。似た例としては山の上にあるお寺や神社の参道を自転車で駆け下る『ホーリーライド』も、批判される方はいますし(ちなみにホーリーライドとほーりーは、何の関係もないですよ)。
その意味ではこうした攻めた企画が生まれたことは、素直にすごいと驚きました。
長い年月をかけながら、兵庫県・西宮神社の開門神事(十日えびす大祭終了後、参拝者がダッシュで本殿へと走り、早く着いた人が福男として認定される)のような形で、これ自体が信仰の一要素にもなっていったらなんて、ちょっと夢想してみたり。
身延ガールが、更新再開始めましたよ
2011年に日蓮宗宗務院が作成された『みのぶガール』というサイト。私も依頼を受けて身延山の宿坊をテーマにコラムを書きましたが、こちらがずっと放置状態になっていたというのは以前にお伝えしました。
なので身延山活性会議にほーりーが呼ばれた時も復活を強く訴えたのですが、それが功を奏したのかどうか、今年に入って手が加わり始めました。
ひとまずSNS連携やリンクが増えて、情報量が増しています。あとはここにいろんな記事が入っていけば面白いですが、どのくらいのペースで更新されていくかはほーりーのウォッチ対象です。
固いものの多かった身延山の公式的な発信情報の中で、いち早くポップな要素を取り入れた先駆けでもあるので、ぜひここからの進展は期待したいところです。
ほーりーのコラムも、多くの方に読んでほしいですしね。
ということで、、、
身延山についてはほそぼそと、ほーりーも活動を続けています。現在行っていることは、地元で身延情報の発信を続けるゆる身延さんにお願いして、宿坊研究会で身延山紹介記事を連載頂いていることです。
去年から続けて、現在18記事。ほーりーの懐具合とゆる身延さんの頑張りにもよりますが、100記事くらいに増やしてディープな身延情報データベースにしていきたいと思っています。
そうかー。そういう意味では、身延ガールはライバルになってしまうかも。まあ、切磋琢磨しつつ、身延山の認知度が上がれば、両者のアクセスも増えてWin-Winですが。
他にも覚林坊さんが桜寺栖を開いた時は、オープニングパーティに出かけたり。時々出かけては取材をしています。
身延山の切り込み隊長・覚林坊の桜寺栖パーティに行ってきたよ!
そんなこんなで、身延山。2021年には日蓮聖人降誕800年が控えていますし、これからまた新しい展開が期待できますよ!