寺社Nowオンラインは、宿坊の経営事例が豊富にあってためになる
全国寺社観光協会から発行されている寺社Now。こちらは様々なお寺や神社の活性事例や、寺社に関連した観光行政、企業活動などが紹介され、ほーりーも毎回読んでは勉強になっていました。
そして今年の5月に寺社Nowオンラインとして新たにオープンされましたが、こちらもまたためになる記事がたくさん並んでいます。
記事カテゴリーを見ると、「SDGs」「テラハク」「ライフスタイル」「FOODs」「寺社テック」「ひと/地域」と分けられています。それぞれお坊さんや神主さんには、興味深いテーマですね。
そしてほーりー的に最注目は、やはり「テラハク」です。まあ、宿坊と読み替えても良いと思いますが、お寺や神社の泊まれる宿について、取材記事が載っています。
さらに面白いのは、単なる宿の紹介だけではなく、経営視点のインタビューも書かれていることです。これはこれから宿坊を作りたい方にとって、貴重な情報になるのではないでしょうか。
そこでここでは、そんな読んでおきたいテラハク記事を、ピックアップしてみます。
寺社Nowオンラインの、宿坊経営事例記事
香川県高松市の眞教寺宿坊&萬燈珈琲店
眞教寺の佐々木剛住職は、このブログで何度もレポート記事を書いている『エンディング産業展』を主催しているTSO Intenational株式会社の代表取締役でもある方です。
いわばビジネスとお坊さんの二刀流であり、それだけに眞教寺では宿坊やカフェを開いた大胆な改革が進められています。眞教寺は高松市の中心からはかなり外れた場所にありますが、それだけに右肩下がりの寺院の将来像をシビアに見据えて、事業計画を立てられていました。
新事業のお金の流れはお寺から切り離すなど、参考になる話も多く載っていますよ。
静岡県河津町の慈眼院「モダン宿坊 禅の湯」
河津桜で有名な河津町の宿坊・禅の湯。こちらはほーりーも宿泊したことがありますが、温泉の露天風呂や敷石サウナなど、「ここって本当に宿坊なの~?」というようなリゾート的な宿でした。しかしその後にお坊さんに坐禅指導をして頂き、ギャップの激しさにまた宿坊の魅力を感じたところです。
こちらはもともと先々代の住職夫人がユースホステルを開業し、住職の長女の稲本雅子さんが過疎地寺院の生き残りを賭ける事業再構築の計画を描いて、「モダン宿坊 禅の湯」にリニューアル。
さらに地域の食材を使用し、夢を持って移住してきた方をスタッフとして多く雇用するなど、地域活性にも積極的に乗り出しています。
宿坊もお寺や神社の単独だけではなかなか広がりませんし、地域とのつながり方を学ぶ上でも禅の湯は貴重な先行者ではないでしょうか。
サウナーも注目!コロナ禍でも人気のモダン温泉宿坊「禅の湯」(静岡県河津町)事業再構築&過疎地活性化の秘密公開!キーワードは「育(いく)する」!
山梨県身延町の迎賓館えびす屋
迎賓館えびす屋は、ほーりーもいつもお世話になっている覚林坊の女将・樋口純子さんを中心にして作られた高級路線の宿坊です。樋口さんを紹介した記事は、以下をどうぞ。
身延山の切り込み隊長・覚林坊の桜寺栖パーティに行ってきたよ!
築90年の古民家をリノベーションし、一日一組限定で一流シェフが地元食材をふんだんに盛り込んだローカルガストロノミーを創作。まさに「迎賓館」の名が示す宿になっています。
そしてこのえびす屋だけではありませんが、樋口さんが様々な改革に取り組む原動力には、地元から活気が失われていく危機感がありました。身延は日蓮宗の総本山・久遠寺がある町ですが、営業をやめる宿坊やお店が増えていくことから、何とかしたいと走り出します。
そんな奮闘に元気を頂ける話が紹介されていますよ。
聖地身延山に誕生!1日1組限定の古民家宿坊オーベルジュ「迎賓館えびす屋」に託した女将の願い
福岡県篠栗町の延命寺「和み庵」
日本三大新四国霊場のひとつに数えられる篠栗八十八箇所霊場に誕生した民泊宿「和み庵」。こちらは第三十九番の延命寺によって開設された宿坊です。
こちらはとても現実的な形でスタートしています。オープンから半年は運営に慣れるためのお試し期間と位置付け、利用者は10人ほどとスロースタート。なるべくお金をかけずにDIYでリフォームしていくなど、こちらもまたリアルな参考事例ではないでしょうか。
お遍路の減少によって静かになってきている地に、新たな流れを生み出すための牟田良康住職と奥さんの奮闘が語られています。
低予算のDIYで民泊宿坊オープン! 篠栗霊場・延命寺「和み庵」(福岡県)
千葉県東金市の家之子八幡神社
「テラハク」という名前ですが、神社もあります。ほーりーの地元・千葉県では、家之子八幡神社の中嶋祐子宮司が、叔母が暮らしていた空き家を改装して一日一組限定の宿にしました。
千葉県と言っても東京からはだいぶ離れた場所にあり、こちらもまたご多分に漏れず人口減少で活気が失われてきている町です。そしてそんな姿を憂えた中嶋さんが、地元を元気にしたいと宿坊を開いています。
そのコンセプトは田舎のおばあちゃん家に帰省するような空間であり、また地域の神社巡りなど土地の良さも伝えていく活動も視野に入れられています。
空き家活用で地域活性を。千葉県・家之子八幡神社の挑戦!神と人、人と人をつなぐ民泊宿坊
ということで、、、
寺社Nowオンラインでは他にも観光庁が「寺泊」を開きたい地域に専門家を派遣する事業を紹介した記事など、宿坊関連での重要ニュースも載っています。
【速報】エントリー開始!観光庁 令和3年度「城泊・寺泊による歴史的資源の活用専門家派遣事業」専門家派遣希望地域のエントリーを開始 ※8/20(金)17時必着
また紙媒体で作られた寺社Nowのバックナンバーも無料会員登録すると読むことができ、こちらにも様々な宿坊の記事が載っています(あとついでに3~13号には、ほーりーが連載していたコラム記事も掲載されています)。
宿坊に関わる方や興味を持っている方は定期的にチェックしておくと、様々な情報が入ってくるのでおススメで~す。