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メディアに踊らされない、観光立国日本を目指して

紅葉の清水寺

お寺や神社と言えば思い浮かべるのはどこか。
多くの方にとっては、やはり京都こそ真っ先に頭に浮かぶ場所ではないでしょうか。

もちろん私は京都が大好きです。
それこそ学生時代から何度も訪れ、あちこちの寺社を拝観してきました。

ただ、特に紅葉の京都の混み具合は恐ろしいものがあります。
私も去年、秋に清水寺や山科を歩いてきました。
そこで出会ったのは東京の通勤ラッシュにも劣らない、京都でのすし詰め境内でした。

実は私はもう何十回と足を運びながら、
京都でしっかりと紅葉を見たのはこれが初めてです。

なぜならやはりとんでもなく混んでいる、
宿が取れない、落ち着いて観光できないなど、
いろんな部分で心にブレーキがかかっていたためです。

きっと私みたいに混んでいるから諦めようと言う方は、
少なくはない
のではないでしょうか。

その一方で各地の観光地では、観光客がどんどん減って寂れていく場所もあります。

もっともっと旅行者が分散して動けば、
混んでいる地域を敬遠して家に閉じこもった方にも出かける機会が生まれ、
全体的な総和として旅行者が増えていくのに。

渋滞による環境負荷も宿泊料の異常な高騰も、
GWを分散させようという施策なんかも必要なくなるのに。

なぜ、こんなにも京都ばかりに目が行くのか。
もちろん京都がすっばらしいいぃぃぃーーー! から、というのは大いにあります。
これは京都に魅了されまくっている私にも異存はありません。

が、それを抜きにしても私は
画一的なナンバーワンに目を奪われすぎる構造があるからと思っています。

人が集まるから、紅葉といえば京都となる。
紅葉といえば京都となるから、メディアが京都を特集する。
メディアが京都を特集するから、人が集まる。

これは必ずしも悪いとばかりは言えませんが、
それでも過度な一極集中は長い目で見て有益ではありません

一極集中を脱却するには京都とは違う何かを、
それぞれの場所で見つけて伝える必要があるのでしょう。

ナンバーワンに人が惹かれすぎる。
これはナンバーワン以外の情報が、発信されなさすぎるということでもあります。

もともとナンバーワンに及ばないのであればそれは仕方ありませんが、
単に磨き方が足りなかったり、アピール出来ていないために埋もれるのは、
あまりにももったいありません。

そしてよく言われるナンバーワンよりオンリーワン。
私はオンリーワンとは局所のナンバーワンと定義づけていますが、
どんなに狭い分野であれナンバーワンになることが、人をひきつける一つの突破口です。

メディアはすでに話題になっているものを取り上げるのは得意ですが、
まだ何も話題になっていないものを発掘して、
勝手に盛り上げてくれることはほぼありません。
良さを最初に発掘して火をつけるのは、
やはりその良さを愛する人間でないと無理です。

一箇所に100万人集まることも良いですが、1万箇所に100人集まる仕掛けも作りたい。
そしてその1万箇所が線や面でつながり、旅行の巡回を促していく。

国宝の建築も、四季に色付く庭園も、平安時代の仏像もないお寺。
春に桜が咲くわけでも、伝統のお祭りがあるわけでもない神社。
そんな寺社が工夫次第で魅力的な場所になる。
それは今後の日本の観光にとって、鍵となっていくのだと感じています。

宿坊も、座禅や写経の一覧化も、縁結びスポットの紹介も。
寺社コンによるあちこちの観光ガイドには載っていない寺社散策も。

そんな文脈にも意識を向けて、行っていけたらと考えています。

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