15年目を迎えた宿坊研究会の振り返りと未来予想図
宿坊研究会が始まったのは2000年の5月5日。ちょうど今から15年前の今日に始まったこのサイトは、当初名前の通り「宿坊」のみを紹介するサイトでした。その後、多くの方からのリクエストに応える形で座禅や写経、精進料理が体験できるお寺情報をまとめていきます。さらに縁結びやお守りなど、寺社に気軽にふれられる切り口を求めて姉妹サイトを増やしていきました。
この「宿坊」から「座禅・写経、精進料理」、そして「縁結びやお守り」とテーマを広げていった流れには、ひとつの方針があります。それは私自身の成長につながるコンテンツであること。
もちろんウェブサイトですので、まずは人に見て頂けそうなテーマを選んだつもりです(最初の宿坊はそれすら考えていませんでしたが)。しかし上述のテーマはそれだけではなく、それぞれ当時の自分にとって、効率良く足りない知識を得られるものでした。
まず最初に宿坊情報をまとめたのは、純粋に宿坊に対する興味からでした。座禅、写経、精進料理は、宿坊を知るに連れ、仏教体験全般に関心を持ったことがきっかけです。そして縁結びをテーマとしたのは、宿坊研究会で得られる知識がお寺メインであったため、神社についても学びたかったことが主要因でした。お守りはさらにその補強と共に、各地の伝説や民話にも目が向いていったためです。
一方で宿坊散策会や宿坊サミットなど、人が集まる場作りも挑戦したいフィールドでした。これはもともと2002年に行われたサッカーのワールドカップで、海外から来た各国サポーターと交流を取るうちに、人が集まることは純粋に楽しいと感じたことが原点です。
宿坊研究会で多くの方とメールのやり取りをするようになりましたが、もっと直接みんなで会えないか。その想いを宿坊散策会や宿坊サミットで形作っていきました。
そして2009年。お台場で宿坊ナイトというトークライブを開催しました。この時、初めて掲げた私の旅テーマが「人生を変える寺社巡り 人類を変える寺社巡り」です。
楽しいだけでなく、人生すら変えてしまう寺社巡り。そしてそうした人が集まって、人類さえ変え得る寺社巡り。
私の人生は寺社巡りと共に変わっていきましたが、この想いをもっと多くの方と共有できないか。その分かりやすくもある答えのひとつが、同じく2009年から始めた寺社好き男女の縁結び企画『寺社コン』です。そして今は人生を変えるさらなる手段として、寺社が社会を変革する場として広がっていくことも目指しています。
ここ数年、お寺活性化について、お坊さんから講演依頼を頂くことが増えてきました。私はいつもその中でお寺が社会の問題に取り組んでいくことと、コミュニティを作っていくことをお願いし、その手段を提案しています。
お寺はこれからの社会にとって、さらになくてはならない重要な基盤となる。私は自分が歩んできた経験から、真剣にそう考えています。
15年目を迎えた宿坊研究会。ここまで長く続いたのは、多くの仲間との出会いがあったからです。そのどれが欠けても今の形にはならなかったでしょう。
好き勝手に動き回る私に振り回されている方も、もしかしたらいるかもしれません。迷惑もたくさんかけてきたと思います。ですが宿坊研究会開設当初にあり、当時交流させて頂いた寺社系ホームページで今も残っているものが全くないことを考えると、15年もの間続けていくことはとても難しいことなのだと改めて感じます。私がそれを行えたのは私の提供している情報や手がけたイベントで喜んで下さる方がいて、どんどんと私を引っ張って下さったからなのだと考えています。
そして今はまだ初めたばかりですが、私たち一般の人間がもっと寺社と関わりを持てるテーマとして、『仏前結婚式盛り上げプロジェクト』や寺社とのビジネスマッチング『寺社ビズ』も実施しています。また電子書籍の出版や、海外からの旅行者を寺社へ誘導する仕組みづくり、360度カメラの活用研究なども計画しています。
趣味の活動はいつの間にか仕事になり、独立して働くことになりました。さらに寺社コンで出会った相手とは昨年に結婚もしました。結局のところ、宿坊泊まり歩きの旅から始まった宿坊研究会。開設当初からはまったく想像もしなかった方向に進んでいますが、これからの3年、5年後も私には予想のつかない状態です。
ですが常にお寺や神社で私自身が最大限にワクワクし続けられること。これが羅針盤ですし、これからもそのワクワクを目指して歩き続けていきます。 ここからまた、興味のアンテナの赴くままに仕掛け続けていきますので、今後ともよろしくお願い致します。