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葬儀や終活・お墓業界への学生イメージが、大きく変わろうとしている

お寺の半鐘

 先日、日本経済新聞連動特集、マイナビの2022年卒版就職企業人気ランキングが発表されました。そして「冠婚葬祭」部門で葬儀会社の永田屋さんが、9位にランクインしていました。これは一見すると地味ですが、実はものすごいインパクトあるニュースです。

 改めて説明するまでもありませんが、冠婚葬祭は主に結婚式と葬儀会社を表しています。お寺社会にどっぷりつかり、お墓の会社で顧問も務めるほーりーとしては、これってものすごく大ざっぱなくくりと感じています。

 だってお祝い事と、お悔やみ事。両者の性質は真逆です。野球とゲートボールは同じスポーツじゃないかとか、二郎と天一は同じラーメンじゃないかとか、そのくらい雑な分類です。

 そしてこの2つを混ぜると、葬儀会社の存在が薄れます。「冠婚葬祭」部門は実質的に、ブライダル業界の人気ランキングです。いやーー。だってそうですよね。きらきらと華やかなウェディングを演出したい方はたくさんいても、悲しみばかりのお葬式会社に身を投じたい方なんてほとんどいません。

ブライダル業界と葬儀会社を比べてみると

 しかし現在の日本を見てみると、葬儀会社の方が明らかに伸びしろがあります。下は以前に書いた記事ですが、少子化と非婚化に伴って縮小しているブライダル業界に対し、多死社会を迎える葬儀業界はぐいぐい伸びています。

 10年で2倍以上に拡大している葬儀という成長産業。そして右肩下がりの結婚式市場

葬儀業売上高と取扱件数の推移

 これは個人の価値観なので万人にうなづいて頂く必要はありませんが、働き甲斐は仕事が上手く回るかどうかで大きく左右されます。どれだけ努力してもなかなかお客さんが来てくれない仕事と、頑張れば頑張るほど成果に結びつく仕事とでは、圧倒的に後者の方が楽しく働けるでしょう。

 そして市場規模に比べて人気の高い職種は、賃金や待遇が上がりにくいのも特徴です。これは一般論ですが条件が悪くてもたくさんの人が応募してくれるなら、わざわざ高い給料を設定する意欲はわきません。例えばアニメ好きが高じてアニメーターを目指す方は多いですが、この業界は低賃金で知られています。

 さらに言えばブライダル業界と葬儀業界では、働きやすい年月も異なります。結婚式で相対するお客様は20~40代が中心ですが、自分がシニア世代になってしまうと共感を得にくくなるかもしれません。一方で葬儀業界は若ければ若いなりに、年齢が上がれば上がったなりにお客さんと向き合うことができるでしょう。

 「高年齢者雇用安定法」の改正により、定年が2012年には65歳、2021年4月からは努力義務としてですが70歳まで引き上げられました(細かくはいろいろな仕組みがありますが)。年金受給年齢も上がっていくでしょうし、長く働ける仕事はそれだけで人生を安定させます。

 そんなわけでまとめると、ほーりーがもしもどちらかに就職するなら、以下の理由から葬儀業界を選びます。

 ○葬儀業界の方が伸びしろが大きい
 ○葬儀業界の方がやりがいを持って働けそう
 ○葬儀業界の方が給料が上がっていきそう
 ○葬儀業界の方が長く働けそう

 私の知り合いには葬儀業界を選んだら親がショックを受けていたと仰っていた方もいたので、そんなデメリットはありますが。一般的に見栄えの悪いものほど、チャンスは眠っているわけです。

 人生の転機は見た目の悪い人に訪れる

葬儀会社への学生イメージが、大きく変わろうとしている

 まあ、あれこれ書いたものの、もしもこれが20代のほーりーだったら、やはりブライダル業界を選んだのではと思います。なにせ私は大学生だった頃、面接官から「我が社のイメージを教えてください」と質問されて、「いっぱいテレビに出てますよね」と答えて呆れさせたくらいに、適当に就活していました(その会社は落ちました)。

 あと、エントリーシートに相手の会社名を間違えて書いて出し、面接の時に突っ込まれました(そしてなぜか、その会社に就職しました)。

 そんな人間だったので、学生たちがきらびやかな会社に誘導されていくのは、まあ当然と思っています。

 しかしそのように思っていたところ、今回の永田屋さんが9位にランクインした話が飛び込んできたわけです。今どきの学生たち、すごすぎる。
 
 永田屋さんのサイトを見ると、「コロナ禍でも安全対策に最大限配慮しながら積極的にイベントやWEB EXPOに出展し、zoomやリアルでインターンシップ、面談等行わせて頂いた結果だと感じております」と書かれていました。

 もちろん永田屋さんの努力の結果も大きいでしょうが、これはやはり学生達の意識が変わってきている兆しでもあろうと、ほーりーは考えています。

ということで、、、

 当然ながら他のベスト10はみんな、ブライダル業界の会社(事業の一つとして、葬儀を扱っているところはありますが)です。その意味では世の中の学生の大半が、「あれ? 葬儀業界ってすごいんじゃね」と見抜けているわけではありません。

 しかしDMM.comが完全子会社化した「株式会社終活ねっと」も、創業者を中心に学生が集まって起業されました。

 若い世代の葬儀や終活、お墓業界に対する意識も、これからどんどん変化していくでしょう。今回の『就職企業人気ランキング』はそんな変化を感じる事象のひとつとして、ここに記録しておきます。

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