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挑戦はリターンがないと思ったところに生まれる

森の中の道

先日、電子書籍の販売は出版社からの書籍化を断っての、私にとって思い切った挑戦だったというお話を書きました。そこでせっかくですので、私が考える挑戦の定義をお伝えします。

私にとって挑戦とは、リターンがないと思ったところに生まれるものです。これは逆説的ですが、リターンが約束されているところには、すでに誰かが入っているので私にはリターンが約束されません。

少なくとも私は世界最速の行動家ではありませんし、何をやっても誰かが間違いなく私より早く行動しています。で、あれば私が一番早かったと結果的に思える方法は、自分への明確なリターンが見えないことではないかと考えています。

もちろんそれは自分が何も得るものがないことを、闇雲に行うことではありません。仮説を立てることは必要です。今回の電子書籍化で言えば、私は出版社から本を出すチャンスを失いました。しかしそれを捨てても得られるものが多いのではと考えたからこそ、決断に至っています(出版社からの書籍化依頼を断り、電子書籍を発売することにした6つの理由もご参照ください)。

ですが、それと矛盾するようですが、私は電子書籍を作ったことで何を得られるか、私自身が分かっていません。お金なのか、経験やスキルなのか、人脈なのか、もしくはもっと別の何かか、はたまた何も得られずに出版のチャンスを失っただけなのか。でも、それで良いと思えたからこそ、今回の選択ができました。

スティーブ・ジョブズの伝説の演説に、『コネクティング・ドッツ(点と点をつなげる)』というものがあります。

これは一言で言えば、未来に先回りして自分の行動を選択することはできない。今行っていることがいつか結びつくと信じることが大切で、それがあれば人と違う道でも自信を持って歩き通せるというお話です。

今行っていることが、どんな形で芽吹くかは私にも分かりません。ですが、それがいつか何かと結びつくと信じて、私は行動しています。得られるものが多いのではという仮説と、何も得られなくても構わないという達観。飛び出した先が見えないということは、挑戦に値するシグナルです。私は攻めるべき時は、このシグナルを大事にしようと考えています。

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