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御朱印マナーの悪さを叩く人と、坊主丸儲けを叩く人は似ている

 このところ、御朱印のマナーが急激に悪くなったように報じるニュースが続いています。そしてほーりーはこの状況を注視しています。

 なのでGoogleで「御朱印 マナー違反」と検索すると、前回書いた御朱印ブームに言及した記事が、上から5番目に出るようにしてみました。

御朱印マナー違反の検索結果

 上記の記事概要は以下の通りです。

 ○御朱印は初心者が多く、内容や意義を理解するには時間がかかる
 ○トラブルを一気にゼロにしようとすると、みんな寺社から離れていく
 ○御朱印帳が一冊増えるごとに寺社への理解が少しずつ深まれば素晴らしいこと

 詳しく知りたい方は、リンク先からご覧くださいませ。

 御朱印のマナー違反が多発するのは、悪いことではない

 ほーりーは御朱印のマナー啓発は、必要と思っています。ですがマナー啓発(が、過熱しすぎて知識が不足している人叩き)が広がりすぎている現状、御朱印は迷惑なものという誤解が広まることを危惧しています。

 上記の検索結果でも、一番上に出てくるのは日経新聞の記事ですしね。こんなに信頼性の高い媒体が、一方的に御朱印のマナーが悪化している! と、書き綴ったら、そりゃビギナーはひるんでしまいますよ。

 なので御朱印のマナー悪化より、それを叩く風潮の方が過熱している現状に一石を投じたいというのが、現在のほーりーが考えていることです。

 なお、私のところに「神主さんに暴言吐くのはいいことなんですか?」と、的外れなクレームを投げてきた人もいますが、記事内ではそれを明確に否定しているので、タイトルだけ見て脊髄反射で文句を言うのはやめてくださいませ。

 、、、と、文章内に書いても、そういう人は読んでくれないのが常ですが。

御朱印マナーは、びっくりするほど良いと思う

ほーりーの御朱印

 そしてここから本題ですが、御朱印のマナー悪化を叩く大手メディアは、そもそもマナー改善や、仏教・神道と人をつなげる事には何の興味もないと感じています。

 特に最初に報じられた記事を見て、追随して同じような内容を丸写ししただけのメディア(というか、ゴシップ誌)には、それが強く見受けられます。

 こうしたメディアに特徴的なのは、批判材料がテンプレート化していることです。ほーりーは御朱印のトラブルを報じる様々な記事を読みましたが、びっくりするほど同じ構成ばかりでした。

 核となるトピックスは

 ○明治神宮で8時間(記事によっては10時間)の行列ができた
 ○浅草神社で神主さんや巫女さんが参拝者に恫喝された
 ○ネットオークションで高値で売買された

 というものです。

 他に福岡県の到津(いとうづ)八幡神社や福島県の飯盛山の事例が出ることもありますが、だいたいは上記3項目が中心でしょう。

 そしてこれらの事例を挙げたうえで、最後は御朱印を頂く参拝者はマナーを守るべきとか、神様仏様も嘆いているといった言葉で締めくくられています。

 が、ほーりーはこれらの記事を読み続けて、本当に御朱印マナーは悪くなっているのかと疑問が湧きました。むしろ改元であれだけ人が殺到し、目立つ事例がこれしか出なかったのは、御朱印を頂く人のマナーが驚異的なほどよかった証明ではとも感じています。

 例えば明治神宮の8時間待ちは規格外としても、知り合いの(けっして有名な観光地などではない)お寺や神社でも、GW中は30分くらい待つ人が出たという話はちょこちょこ聞きました。

 facebookを見ても、つながっているお坊さんや神主さんで御朱印対応大変だった~というぼやき(というか、悲鳴?)は散見されます。

 それだけたくさんの人が集まれば、中には心ない言葉が出ても不思議ではないですし、実際にある程度は不快な思いをされたお坊さん・神主さんもいたようです。ですがこれは断言しても構いませんが、御朱印待ちに100人が並んだら、99人は静かに待っていたでしょう。比べるものではないですが、それはコンビニに来る人よりはるかに高いマナー意識です。

御朱印ブームを叩く人と、坊主丸儲けを叩く人は似ている

 そしてこの御朱印を叩くメディア記事を読んでいると、時々思い出したように出てくる「坊主丸儲け」を叩く記事とも共通しています。

 ○お坊さんが高級外車を乗り回している
 ○戒名をつけるのに、数百万円を要求された
 ○お墓を移そうとしたら、住職に拒否された

 こうした批判テンプレートは、頭を使わない人には便利なツールです。そりゃー、お坊さんだって日本に15万人(統計によっては30万人)もいるわけですから、中にはそうした生臭坊主も出てきます。

 ですが極端に目立つ一部の事例だけを取り上げて、それがさも全体を象徴しているかのように叩いてこき下ろすのは、ジャーナリストとしてはいかがなものかと感じます。

 万人が逆らいにくい伝統を盾にしながら、拳を振るう快楽に酔いしれているだけの記事にこそ、御朱印好きは批判の声を上げるべきです。

ということで、、、

 御朱印を貶める言葉として、「スタンプラリー」もテンプレートです。ほーりーはそろそろ「御朱印はスタンプラリーではない」というセリフを吐く人は、御朱印叩きに乗せられただけの人という目で見始めています。

 刺激的なキーワードが目に付いて、思わず不安や義憤にかられてしまうのは仕方ありません。ですが一歩離れて俯瞰すると、全く異なる風景が見えることもよくあります。

 御朱印のマナー違反を指摘する数々の記事は、それを観察する上でも絶好の教材ですよ。

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