1. TOP
  2. 03.寺社旅研究家のアイディア集
  3. 02.生き方全般
  4. 早起きは寿命を縮め、仕事にも悪影響を及ぼす

早起きは寿命を縮め、仕事にも悪影響を及ぼす

 株式会社ポケモンによると、世界7か国のポケモンスリープユーザーで、日本の平均睡眠時間が最下位だったとする発表がありました。

 日本平均は「5時間52分」で世界平均「6時間34分」と比べて36分少なく、ワースト2位のイタリアと比べても24分離れています。

世界7か国の平均睡眠時間ランキング

 これは別の調査でも同様の結果が出ています。2021年に発表された経済協力開発機構(OECD)の平均睡眠時間の各国比較では、世界33カ国のうち日本は7時間22分で最下位となっていました。しかも他の国は韓国(7時間51分)を除けばすべて8時間以上となっているのでダントツです。

 また厚生労働省の『国民健康・栄養調査(令和元年)』によると、1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も高く、男性32.7%、女性36.2%とのことでした。

 いやー。日本人って本当に寝てないんですね。

起きている時間が長くても、有効活用はできていません

 改めて述べるまでもありませんが、睡眠不足は心身に様々な悪影響があります。主なものは以下の3つです。

 ○注意力低下によるミスや事故などの増加
 ○うつ病などのメンタル障害
 ○生活習慣病の発症・悪化

 例えばオーストラリアの研究者などによると、起床から17時間を超えると、血中アルコール濃度0.05%の飲酒(日本酒1、2合)と同程度にパフォーマンスが低下すると報告されています。

 酔っぱらっているような状況で仕事して、能率が上がるわけがありませんね。

 そしてアメリカのシンクタンク「ランド研究所」の調査研究によると、日本人の睡眠不足を原因とした国家レベルの経済的損失は、国民総生産(GDP)の2.92%にあたる1,380億ドル(1ドル145円で約20兆円)に達すると報告されています。

 さらに日本の時間当たり労働生産性は、OECD加盟38カ国中30位です。これは仕事のプロセスが非効率であることも大きいですが、睡眠不足も無視できない要因かもしれません。
 
 もちろん仕事だけではなく、プライベートの充実にも関わります。ほーりーのもう一つの専門分野・恋愛をテーマに見ても、肌が荒れる、感情のコントロールが効かなくなる、そもそも恋の意欲が低下するなど散々な言われようです。

早起きは寿命を縮め、仕事にも悪影響を及ぼす

 「24時間働けますか」というCMがヒットしたのは1989年でした。平成元年ということで、ほぼ昭和を凝縮させたような歌ですが、日本はいまだにこの幻想から抜け出せていないのかもしれません。

 さすがに24時間ではブラック企業と呼ばれるようになりましたが、早起きは健康や仕事に良いとか、成功者は朝活しているなんてこともまことしやかに言われています。

 しかしベストの睡眠時間や起床タイミングは、体質によっても大きく変わります。全体の平均や誰かのおススメが、自分にとって良いものであるとは限りません。

 そもそも人間には朝型と夜型の方がいます。読売新聞のオンライン記事によると、夜型傾向・朝型傾向の人はそれぞれ30%ずついるそうです。

 これらは遺伝子によって決まっており、特に夜型傾向の人は早起きが害になるとも言われています。朝早く起きることで日中は頭が冴えず、長く続けば心身の健康も損ないます。

 またそもそもとして世間全般で推奨されている活動時間は、人間本来の生物的な特質とはマッチしていないかもしれません。

 英オックスフォード大学の臨床神経科学の権威、ポール・ケリー博士の研究によると、いつも6時前に起きている人は朝7時以降に起きている人と比べて心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患の発症リスクが最大で4割ほど高いとのことです。

 また8:00~17:00と10:00~19:00の2グループに分けて仕事をした結果を比較したところ、後者の方がパフォーマンスが高いことも判明しています。

 アメリカでも似たような調査結果は出ています。シアトルの高校生を対象に始業時刻を7時50分から8時45分へと遅らせたところ、睡眠時間が平均34分長くなり、学業成績は平均4.5%アップしたとのこと。もはや早起きは三文の得どころか、実は大きな損だったという話です。

 またこれは有名な話ですが、チェルノブイリの原子力発電所事故やスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発も、研究者や作業者の睡眠不足によるミスが原因と言われています。

 仕事はほどほどにして朝寝坊を推奨した方が、回り回って日本全体の経済活性や人生の充実にもつながるのかもしれません。

と、いうことで、、、

 ほーりーのメインテーマは宿坊ですが、これに関連して以前からスリープツーリズムに興味を持っています。なので今回は睡眠に関してまとめてみました。

 ちなみに時々ですが、『宿坊研究会』は『寝坊研究会』と読み間違えられることがあります。下の画像は以前、エイプリルフールのネタで宿坊研究会のトップページ画像に入れ込んだものです。

寝坊研究会

 それと次の画像は以前、千葉県・本光寺さんと一緒に行った『有給休暇取得祈願法要』で割ったかわらけです。

早起きと縁切り

 ほーりーはサラリーマン時代、会社から徒歩5分の所に住んで始業時刻ぎりぎりに出社してなお、日中は眠くて仕方ありませんでした。当時は早起きが苦手な自分に罪悪感を持っていましたが、今考えると悪いのは朝型中心で回る社会の方でした。

 夜型体質のほーりーがあのままサラリーマンを続けていたら、睡眠負債が溜まりに溜まって、寿命が10年くらい減っていたかもしれません。なので現在はできるだけ、10時前には起きないことを心がけています(そのおかげで毎日快調です)。

 ちなみに以前この話をある方にしたら、会社勤めをバカにしているのかとキレられたことがあります。別にそんなつもりはありませんし、誰にでもできる生活スタイルでないことは理解しています。

 私も宿坊に泊まった時は、いつもより早く起きて朝のお勤めに参加しています。普段は早起きしないので、より早朝のすがすがしさを味わえます。体質的に朝型の方もいるので、早起き全体を否定しているわけでもありません。

 ただ早起きだけを無条件で良いものと見なして『遅寝遅起き』を怠惰とする世間の風潮は、もうちょっと覆ってよいと考えています。ほーりーは自分のパフォーマンスを高めるために、ストイックに寝坊しております。

\ SNSでシェアしよう! /

ほーりーの旅ブログの注目記事を受け取ろう

早起きと縁切り

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ほーりーの旅ブログの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • 文化の交流地点

  • コロナ禍での行動制限で追い詰められている方のデータまとめ

  • 挑戦はリターンがないと思ったところに生まれる

  • 大澤香有さんの語る「お坊さんになって諦めたもの」が面白い

  • 先代住職の性格は、次代のお坊さんにどの程度影響を及ぼすか

  • プレミアムフライデーより、飲み会断ろうキャンペーンの方がいいよ