お寺と人をつなぐ樹木葬セミナーが、京都で行われますよ!
ほーりーが顧問を務めるアンカレッジの『お寺の樹木葬』。いよいよ関西に進出です。今月は京都の本昌寺で開眼法要が行われますが、東京に来なくてもご見学頂ける拠点ができたため、6月26日(月)に京都で樹木葬セミナーが開催されることになりました。
ちなみに、こちらは造営中の写真です。ちょうど一か月前くらいかな。今はすでに完成しているので、写真を撮ってきたらまたアップします。
ということで今回はこのお寺の樹木葬について、改めて紹介です。そもそもこのアンカレッジ。お寺の住職が作った会社だったりします。創業者の道往寺・柏住職によると、自分のお寺を立てなおすために作ったとのこと。
こちらがその柏昌宏住職です。
道往寺はもともと檀家さんが少なくて運営は非常に厳しく、本堂も痛みが激しくなってきたと将来には悲観が漂うお寺でした。
しかし石材店や不動産屋、デベロッパーなどに相談したものの、本当にお寺のことを思ってくれる会社は少ないと痛感する日々。もちろん、そうした企業がまったくお寺のことを思っていないわけではないのでしょうが、お寺と共通して目指せるゴールが設定できなかったことは想像に難くありません。
石を売ることが最大目標の石材店、大規模な投資で機械式の自動搬送型納骨堂を勧める不動産業界。しかしそれらが今一つ自分が目指す方向と合っていないと感じた柏住職は、あちこち探し回った末に樹木葬墓地を発見します。
小規模からスタートできてお寺のリスクが抑えられ、石の体積を減らすことで価格も下げることができる。何よりも見た目が優しくお参りしていて気持ちが良くなる。
これであれば経営的にも無理なく導入でき、お寺として人の心に深く寄り添っていくことができる。そこが最初に樹木葬庭苑を選んだきっかけだったとのことでした。
お寺の樹木葬は道往寺での試行錯誤から生み出された
そして現在は社長に就任している伊藤照男さんとも出会い、アンカレッジはこの二人が中核になってスタートします。
こちらが道往寺の樹木葬庭苑第1区画。
今でこそ超絶好調のアンカレッジですが、最初はやはり苦戦もあったようです。2009年に創業してから、この第1区画オープンまで4年かかっています。そして2013年3月に開苑したものの、2か月間はまったく売れなかったとのこと。このお墓の売れ行きで本堂建て替えの借金が払えるかが決まる状況だったので、これはものすごいプレッシャーです。
が、柏住職はもともとお寺出身ではなく、お寺の女性と結婚してお坊さんになられた方。さらに前職では広告関連の仕事をしていたこともあり、ご自身でお墓の広告制作に着手。そして3か月目から売れ始め、一年経たずに見事完売。この成功をもとに道往寺では2~4区画と徐々に墓域を広げ、現在は第5期の区画を造営中です。
道往寺の実績をもとに、アンカレッジはお寺支援の会社に!
樹木葬墓が順調以上に売れたことで、道往寺は経済的に立ち直ります。そしてここがもう一つアンカレッジの大きな特徴ですが、お墓が売れれば売れるほど、道往寺は布教活動にも力が入れられるようになっていきます。
私が伊藤社長の話で印象に残っているのは、「石材店に布教をさせてはいけない」というセリフでした。
これはどういうことかと言えば、アンカレッジの樹木葬はお寺の檀家となることを義務付けては販売しません。それはマーケティング調査で檀家になることを条件とすると、9割以上が敬遠すると分かっているからです。
が、これは見方を変えれば、お墓の販売を石材店などに任せているのであれば、檀家義務付けはその販売業者に「お前らが仏教を説いて、教えに帰依した相手だけを連れてこい」と言っているようなものです。石材店の人はお坊さんではないですし、それは無理ってものですよ。
なのでアンカレッジは、「お墓は布教への入り口であり、購入されたことをきっかけとしてお寺が密なコミュニケーションを取る」という方針を掲げています。
以下は樹木葬墓の購入者のうち、道往寺(浄土宗)で法要や葬儀が行われた割合です。最初は宗旨不問でもお坊さんがしっかりと顔を見せて対話をすることで、8割以上の方が葬儀法要を依頼されています。
これは普通に檀家になることを義務付けたお墓より、場合によっては多いのではないでしょうか。
そしてこの数字を出すために大切になったのは、納得感です。「そう決まっていますので」と相手をねじ伏せるのではなく、丁寧にお寺の考えや価値観を説明しながら、相手と信頼関係を築きます。
一例を挙げれば、お祭りが好きだった方を埋葬するのに、お墓のプレートにお神輿を刻みたいという方がいました。これを認めるか否かは迷ったそうですが、神社由来のものということで最終的にはご遠慮頂いたそうです。
ですがこの時、「できません」「ダメです」だけであれば、きっと相手は反発したでしょう。しかしお寺がどのような場所でこれからどういう空間にしていきたいのか。それをお話したことで、相手もご納得されたそうです。
なのでアンカレッジの樹木葬庭苑は、お寺にも深い理解と覚悟がないと、導入は難しくなります。
全国に広がる樹木葬庭苑の輪
このようにお寺やお坊さんにも厳しいもの(と言っても、数十~百万円以上の商品を販売するのに至極まっとうな姿勢)を求めるアンカレッジですが、それだけに現在この考えに共感して下さったお寺の輪が広がっています。
特に2016年後半~2017年3月は激動でした。東京に3軒、千葉に2軒、神奈川に1軒と連続オープン。私はほとんどのお寺に行っていますが、数を重ねるほどバージョンアップしています。
また、もともとは人口の多い地域だけをターゲットにしていたため『都心の樹木葬』と呼んでいましたが、だんだんとノウハウが溜まって伊豆大島のような離島や千葉県いすみ市のような過疎の進む地域でも新たに開くことができました。なので現在は『お寺の樹木葬』と名前が変わっています。
念のため付け足すと、「お寺の」とついているようにアンカレッジではお寺以外では墓地を作っていません。引き合いもいろいろあったようですが、すべて断ってしまったくらい徹底しています。
そして4月はいよいよ京都でスタート。さらに先日、北海道でセミナーを開いたり、東北や静岡、九州のお寺からも相談を受けたりと、その活動は全国に広がっています。なんというかそのたびに飛び回っている伊藤社長が、いつか倒れるんじゃないかと心配になるくらいです。
ほーりーを顧問に据えたのは、お寺に賑わいを作りたいから
アンカレッジがお墓は素人の私を顧問に据えた理由はいくつかありますが、そのうちの大きな一つはお寺に賑わいを作りたいからです。
例えば私が主催している寺社好き男女の縁結び企画『寺社コン』。ここでは写経や写仏をしたり、法話を聞いたり、浄土宗の念仏行やお数珠繰りをみんなで体験したりしました(もちろん、他の宗派ではその宗派なりの体験をしています)。
これも婚活イベントに参加した人がいきなりお墓を購入する可能性は低いですが、お墓の見学者に「このお寺では婚活イベントも行われたんですよ」と話をすると、「活気のある楽しそうなお寺だ」と思って頂けることが少なくないそうです。
また他にも和の文化体験やヨガ教室、様々なイベント開催など、賑わいを作る活動も続けています。これは一般の方も来ますし、お墓購入された方も参加可能です。
最近、お寺がいろんなイベントを作って人を呼んでも一過性で終わってしまい、イベント疲れして逆に門を閉ざしてしまうという問題が議論されています。ですがこのアンカレッジモデルは、一つの解決策に成り得ます。
つまり人を呼ぶことが戦略的にお寺活性や布教の仕組みに組み込まれているか。この視点のあるなしで、企画する側の充実度や継続の意欲がまったく変わってくるからです。
アンカレッジはそれを以下の図で整理しています。
とりあえずお寺に足を運び、親しみを持って頂くことが目標の第4層。少しお寺に入り込んだ第3層。そして信徒さんや檀家さんなど、お寺の中核となっていく層というピラミッド的階層図。
下から上へと少しずつカテゴリーを上げていく仕組みも重要です。私は現在のお寺社会はこの3~4層と1~2層が分断されていることが大きな欠点と捉えていますが、アンカレッジもまさにここをシームレスにつなぐことを目標としているわけです。
第3層を1~2層まで上げる、徹底した女性目線
第4層は出入り自由なお寺のファンを作る階層ですが、お墓に関して言えば第3層は購入を検討する見学者です。そしてここでアンカレッジが取っている戦略は、「男性に嫌われても良いから徹底して女性に訴求するお墓作り」です。
お寺社会は男の価値観で動き過ぎました。一方でお墓の購入には男性より女性の方が、主体的な決定権を持つことが多くなっています。そして女性目線で見た場合、従来のお墓は怖い、暗い、固くて近寄りがたいという意見が多く出ています。
先日も私が樹木葬について話をしていたあるお寺では、住職さんが「ふーむ、なるほど。よく分からん」とうなっていた一方で、住職の奥さんが「そうそう、こんなお墓があったらいいと思っていたの!」と大はしゃぎでした。
そして住職さんはその奥さんの熱の入り方を見て、「なるほど。これが女性目線なのか」と感心し、マーケティング調査を申し込まれていました。私が接しているお寺では、大なり小なりこうした反応はよくあります。
この「こんなお墓があったらと思っていた!」という驚き(=自分にピッタリ感)が重要です。そもそも最近はボタンを押せば機械が作動し、お骨を目の前まで運んでくれる自動搬送型納骨堂が人気ですが、この「人気」の理由は安いからです。
安さで選ぶ方(それが悪いわけではありませんが)は、「お参りする環境」への優先度は低い傾向にあります。価格が多少高くなっても自分が気に入ったところにお墓を持ちたいという方は、「お参りすること」を前提に検討します。
つまり樹木葬を検討する第3層の方は、潜在的にも第2、第1階層へと上がりやすい方なのです。そこで「檀家になることが購入の条件です」というようないきなり上に来ることを強要せず、丁寧で密なコミュニケーションを取ることで、気持ちよくお寺の価値観を受け入れてくださいます。
女性目線に対する考えは、こちらにもまとめていますのでよろしければご参照ください。
石原和幸デザイン研究所との提携
女性目線に関して、もう一つ特筆すべきことがあります。それは世界最高峰とも言える、石原和幸先生の造園事務所と手を組んでいることです。
石原先生はガーデニングの本場イギリスで、エリザベス女王から「あなたはまるで緑の魔法使いね」と称賛された方です。世界最高峰の国際ガーデニングショー『英国チェルシーフラワーショー』で5年連続金メダルを獲得し、テレビでも密着取材を受けていましたが、もはやカリスマ中のカリスマと言っても過言ではありません。
庭園の世界では国内外に熱狂的なファンを持つ巨匠であり、ウェスティンホテル東京で開かれる石原先生のディナーショーは、一人3万円もするそうです。すげぇ。
ちなみにアンカレッジには何度か来ているようですが、私はまだ一度もお会いしたことがありません。いつか、会ってみたいですね~。
そんなわけで季節ごとに次々と咲く花の選定や、お寺の方の好みや地域性に沿った造園設計、自動的に給水される機械の導入やセダムなどの管理にあまり手がかからない植物の配置といった、見た目から運用までも最先端のノウハウを提供して下さいます。
私が樹木葬造苑を担当された方に「他の庭園と比べて、何か特徴づけていることはありますか?」と聞いたら、「包まれている感を大切にしている」という答えがありました。これはどういうことかと言うと、両サイドを背の高い木で囲むことで、小さな庭苑でも静かに故人と向き合える環境が生み出しやすくなるそうです。
通常の庭園では遠くまで見晴らして空間をワイドに見せる借景の技術が使われることもよくありますが、お話を聞いて「なるほど~」と思ったものでした。
(もちろん境内のレイアウトや様々な要因もあるので、毎回必ずそうしているわけではないようですが)
石原先生はこちらの記事内でも詳しく紹介しているので、よろしければご参照ください。
お寺と人をつなぎ、収益も上げる! 都心の樹木葬2軒目がオープン
エンディング産業展に集う、お寺の応援団ドリームチーム
2015年から葬儀や霊園、終活などをテーマにした展示会・エンディング産業展が東京ビッグサイトで行われています。そして2016年の回ではほーりーが声掛け役となり、アンカレッジがスポンサーになってお寺の応援団ドリームチームも誕生しました。
このお寺の応援団ドリームチームとは何か? 一言で言えば、お寺を舞台に様々な活動をしている人や団体が集まって、みんなで一緒に自分たちのことをPRするチームです。
エンディング産業展には日本中から多くのお坊さん達が集まります。そして樹木葬の紹介をしているアンカレッジとしては、できるだけそうした方と繋がりたい。自分の活動を広めたい人と手を組み、お寺情報がたくさん集まるブースを作れば、その目的は達成できるのではないか。そんな観点から生まれました。
そしてドリームの名が付く通り、希望者募った上で私と伊藤社長で面談させて頂き、これはという方のみで構成しました。メンバーは上の写真にある通りですが、苦労しただけあってかなり先鋭的なチームになったと自負しています。
エンディング産業展自体、来場者が3日で2万人を超す大イベントでしたが、当日は大忙し。お寺支援に特化した会社も他にはほとんどなかったため、かなり目立った存在になりましたヨ。
また、アンカレッジは江東区のコミュニティラジオでお寺やお坊さんの活動を紹介するコーナーを持っていたり(私もゲスト出演しました)、お墓以外でも様々なお寺支援活動を行われていま~す。
それで実際、お寺の樹木葬ってどうなの?
ということで、あれこれと書きまくりましたが、最後にお寺の樹木葬って本当のところどうなのか。まあ、ここまでまとめた通り、私はかなり正攻法かつ革新的に、経済・布教両面からお寺活性を進められるのではないかと感じています。
実際の販売実績はこちらです。月によって上下はありますが、コンスタントに売れているのが分かります。
そして伊藤社長から話を聞いてもう一つ面白いと思ったのは、「お墓の見学者の中で、購入まで結びつく人の割合が高い」ということです。これは実際に見て心を動かされる人が多いということですし、成果が出やすいということは現場スタッフの活気にも大きく影響します。
また、これはよく紹介している図ですが、スモールスタートでリスクを抑えながらも、ハイリターンが実現できています。駐車場3台分の土地で1億円以上の売上というのは東京での例ですが、経済的な効率の良さも大きな特徴です。
そんなわけで今回は京都でのこの樹木葬セミナー開催となったわけですが、ご興味あるお寺の方がいたらぜひご参加いかがでしょうか? これは樹木葬庭苑の導入検討をして頂くことを目的としたものですが、もちろん参加したからと言って必ずの導入を迫られるなんてことは全くありません。
また、アンカレッジがなぜ樹木葬×お寺の組み合わせにこだわり、ここにすべてを賭けているのか。そもそもこの選択をした背景として、墓地霊園業界の動向や市場調査、アンケート結果はどのようになっているのか。これは樹木葬以外についてもかなり細かく言及しており、業界全般についてまずは知るという意味でも、聞く価値があります。
すでにこのセミナーを5回聞いている私が言うのですから、間違いありません。
また、アンカレッジではこれまで関東中心に展開していたため、関西ではまだセミナー会場の本昌寺にしかないという意味でも、早く動いた方が注目度は増します。
ということで、よろしければぜひ以下のセミナー概要をご覧頂き、お申し込みくださいませ。ほーりーから直接アンカレッジにおつなぎしていきますよ。
ご住職のための永代供養墓セミナー in 京都
永代供養墓でお寺の未来を考える住職のための勉強会です。現在進行形で樹木葬墓に取り組み、挙がった成果を取り上げながら学ぶため、実践的な情報が満載です。
○セミナー内容
1.機械式納骨堂? 樹木葬墓? 散骨? 送骨納骨? データで見る最新のお墓事情
2.檀家離れの時代に寺院墓地は売れないのか? データで見る最新の消費者事情
3.いま売れている永代供養墓! 樹木葬墓の見学
4.永代供養墓でお寺はどう変わる? 先行したお寺の住職との懇談
ご参加いただいたお寺様には「とても面白い!」と好評。参加寺院6割から「うちのお寺にも提案がほしい」と無料提案のご依頼が寄せられる好評のセミナーです。
(無料提案は申込順になっておりますのでご了承ください)
日程 : 下記申込みフォームの参加希望日の欄を参照
会場 : 日蓮宗本昌寺(京都市上京区出水通六軒町西入七番町341)
参加費 : 無料
参加資格 : ご住職、副住職ほか寺院関係者
【会場地図】
会場の本昌寺はこちらをご参照ください。
交通:京都駅から市バス206系統「千本出水」より徒歩3分(206系統は東回りと西回りとがあります、西回りをご利用ください)。または二条駅からタクシーで5分ほど。
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