エイチ・アイ・エスとアンカレッジで、寺院持続化セミナーを開催します
株式会社エイチ・アイ・エスと言えば、東証一部に上場して国内外に多数の拠点を構え、日本の旅行業界を牽引してきた会社です。ほーりーもマレーシアやタイに出かけたとき、航空券やツアーの予約をお願いしました。
あのときはアユタヤで象に乗ったり、楽しかったゾウ。
そんなエイチ・アイ・エスですが本社未来創造室にて、『ライフ&エンディング事業プロジェクト』が立ち上がっています。そしてほーりーが顧問を勤めるアンカレッジと、次世代にお寺を伝えていくための寺院持続化オンラインセミナーを開催することになりました。
お寺を布教・経済両面で支える『石垣型のお寺設計』
今回のセミナーは次世代にお寺をつなげていくための、お墓を題材にした新たな経済活性策がテーマです。このブログでも何度も書いていますが、ほーりーはお寺を布教と経済両面から支えるための、『石垣型のお寺設計』を提唱しています。
お寺を支えて下さる檀家さんは、とても大切な存在です。しかし一般的にお寺社会の収入は8割がそのお布施から成り立っていて、一本足の弊害も目立ち始めています。そこでお城の石垣のように檀家さんという大きなものの周りに宿坊や仏前結婚式、セミナーなど小さなものをかみ合わせ、全体でどっしりとした土台を作ろうということが「石垣型」の要点です。
そしてもう一つ。一口に檀家さんといっても、お寺との距離感は様々です。ほーりーは京都・東本願寺で全国から真宗大谷派の門徒さん代表が集まる場に出て講演させて頂いたことがありますが、檀家総代さんのようにお寺に熱心に関わる方は各地にいます。一方でお寺にはほとんど関心のない方や、名簿に名前が載っていても連絡が取れない方も当然います。
さらにその中間とも言える、お寺とお付き合いしたり供養ごとをお願いしたいと思っていても、現実には様々なハードルがあって足が遠のいている方もたくさんいます。
こうした観点からアンカレッジと進めていたのが『お寺の樹木葬』であり、これまでお墓の購入を布教の入り口として、実際にお墓を買われた方の8割の方がそのお寺で法要を依頼されました。
お墓の購入に檀家になることを義務付けすると、9割以上の方が逃げていきます。しかし「承継者がいない場合のお墓の管理に望む方法」をお聞きすると、事務的な感じのする公営墓地より血の通った宗教施設にお願いしたいと答える方が3倍も多くなります。
檀家という言葉のイメージは悪いけど、檀家になりたい人は多くいる
つまりお寺にはお寺の良さがあり、その「良さ」が相手にわかる形ではっきり伝わるのであれば、檀家さん(あるいは名目上は「檀家」と名が付いていなくても、実質的なお寺のサポーター)になりたいと考える方は少なくありません。
そこでがっつり関わる方から無理ないペースでお参りされる方まで、それぞれの方が居心地良い距離感を複数用意しておくことも、「石垣型のお寺設計」の大事な構想になります。
エイチ・アイ・エスの『リモートお墓参り・お墓掃除代行』
そして今回のセミナーですが、エイチ・アイ・エスの方からは『リモートお墓参り・お墓掃除代行』についてお話し頂くことになりました。
エイチ・アイ・エスの『ライフ&エンディング事業プロジェクト』には、以下のプランがあります。
先日、この資料を見ながらエイチ・アイ・エスの方とアンカレッジメンバーとで話し合いをしていたのですが、これからの時代にお墓参りや清掃代行は多くの方の助けとなる上に、お寺にとっても布教・収入両面で支えになるのではという結論に至りました。
その中でほーりーが考えたことをまとめた話が、以下の記事です。
お墓参り代行業を無視していると墓じまいが増える3つの社会事象
これからお墓参りをしたいと思ってもできなくなる方は、以下の理由で増えていきます。
○介護が必要な期間は男性で約9年、女性で12.5年あり、高齢化社会が進むことで気軽に出歩けなくなる方は増えていく
○これからお墓を引き継ぐ現在の50代は、上の世代より生まれた土地から離れて暮らす人が多く、墓住分離は加速していく
○気候変動によって豪雨や台風が激化していき、お墓の管理はますます手がかかるようになる
もちろん個別のお寺単位で見れば事情は大きく異なりますが、日本全体を俯瞰するとお墓参りのハードルは上がっていきます。そこでお墓参りや清掃の代行業は、これから大切になっていくだろうというのがほーりーの意見です。
しかし現在の代行業は手軽さを売りに管理を丸投げするようなイメージが強い(いろんな業者を見ていると、手軽さだけを前面に押し出し過ぎている)ため、エイチ・アイ・エスの方とお話していたのは、お寺と人をつなげるためのお墓参り代行業とはどんなものかということでした。
理想的なことを言えば広がれば広がるほど直接お寺に足を運ぶ人も増える代行業ですし、もう少し現実的には時間や距離、あるいは健康問題などから気軽にお墓参りができない方が、供養ごとを面倒なものと思わずに長期に渡って続けられる仕組み作りです。
例えばその一つの方策は、お坊さんが積極的に関わることです。業者の方がお墓の掃除をしてお線香を上げるだけで終わりにするのではなく、お坊さんがお墓の前で読経して、その写真を撮影してレポートにまとめることは、丁寧な供養をしている前向きな気持ちを生み出します。
さらにそれがこのお寺のお坊さんはしっかり対応してくれるという印象にもつながれば、ご自身がお墓参りするときにも声をかけやすくなりますし、法要などにもつながっていくでしょう。
もちろんそうしたお墓参りから法要につなげる方法は、アンカレッジがこれまでさんざん試してきたことの一つですので、その経験値も全力で投入していきます。
アンカレッジの『永代供養』
そして今回のセミナーのもう一つのお題は、永代供養です。こちらはアンカレッジの本業とも言えるものですが、今回はエイチ・アイ・エスのお墓参り・清掃代行業と絡めてお話をします。
アンカレッジは道往寺の柏昌宏住職が作った会社ですが、檀家さんの少なかったご自身のお寺を立て直す必要性に迫られたことから樹木葬に行きつき、軌道に乗せたノウハウを他のお寺さんにも役立ててほしいとお寺支援の会社を作ります。石材店からではなくお坊さんの発想から生まれたことで、お寺のことを第一に考えたお墓にしていることが、アンカレッジの特徴でもあります。
そしてその活動は関東中心ではあるものの関西や愛知、東北、山陰、九州と各地に渡り、お墓作りも都心から過疎地、離島に至るまで様々なロケーションでお手伝いしてきました。
2021年も神奈川県・道場院や島根県・一畑薬師、千葉県の善照寺、円東寺などで新たにオープン。さらに既存のお寺でも第二期、三期区画が拡張されるなど、好調を維持しています。
そしてその特徴は毎回セットでお伝えしている箇条書きですが、以下のものがあります。
○駐車場3台分ほどのスペースで始める、リスクを抑えた導入計画
○男性に嫌われても女性にターゲットを絞ることで得た需要の広さ
○世界レベルの造園家とコラボして作られたデザインの秀逸性
○安売り競争から脱却して生まれた収益力
○お坊さんがしっかりコミュニケーションを取る布教の足掛かり策
○購入者の8割が葬儀法要を依頼する、新たなお寺サポーター作り
○一定期間で合祀墓に移す土地のサイクル活用
○都心部から離島までお墓を作った経験値
○アンカレッジ独自のマーケティング能力と販売ノウハウ
○ほーりーが顧問を務めることで、なんかいろいろ話題になる
お墓業界全般の話やその中でアンカレッジがなぜ樹木葬を選んだか、そこで行われている販売戦略からお寺として永代供養を進める意義などは、単独セミナーとしても定期的に行っています。ですが今回はエイチ・アイ・エスとのコラボということで、一粒で二度おいしい話になっていますよ。
エイチ・アイ・エスとアンカレッジの寺院持続化セミナー
ということで、今回はこのエイチ・アイ・エスのお墓参り・清掃代行サービスとアンカレッジの永代供養をテーマにしたオンラインセミナーを開催します。こちらでは休眠中の檀家さんがお寺に足を運ぶ呼び水としたり、地域とのつながりや新たな檀信徒さん作りを目的として、お寺の継続を可能にするサービス設計を考えていきます。
今回はお坊さんや寺院関係者限定のオンラインセミナーですが、もしご興味ある方いましたらZoomのリンクをお送りしますので、以下のフォームからぜひぜひご連絡下さいませ。
日程 : 2022年1月25日(火) 14~16時・19~21時 (どちらも同じ内容です)
開催 : Zoomによるオンライン開催
参加費 : 無料
参加資格 : ご住職、副住職ほか寺院関係者