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お坊さんも死者との競争時代がやってくるかも

良夢のお守り

先日、好きなアーティストが新曲を出した夢を見ました。これが音楽センスのないほーりーの脳みそから生まれたとは信じられない出来で、起きてから思い出してもその人が本当に歌ったんじゃないかと思えるほどでした。

まあ、言ってしまえば単なる妄想ですが、誰でもこんな夢を一度や二度は(音楽好きなら、何度でも?)見ているかもしれません。当然ながら、目が覚めて5分くらい経ったら、「あれ? どんな曲だったっけ」と忘れてしまいました。

本人の手を離れて量産される作品たち

しかしこんなたわいのない夢とは次元が異なりますが、最近は本人からは手の離れたところで作品が作られ続けるニュースがたくさん生まれています。

例えばほーりーが子どもの頃に夢中になった漫画・ドラゴンボール。連載が終了しても作者の鳥山明先生は原案やキャラクターデザインなどに参画しながら、漫画やアニメが続いています。

クレヨンしんちゃんの作者、臼井儀人先生は2009年に登山中の事故で亡くなられましたが、アシスタントの方などが後を継ぎ、『新クレヨンしんちゃん』として今も続いています。

こうしたものは一ファンとしては嬉しいし、大歓迎なのですが、一方で現代の漫画家さん(あるいはデビューを目指す人も含めて)は、とても大変だなとか考えてしまいます。

ある意味で同じ世代の作家はもちろん、偉大な大先輩の作品とも戦わなければならないわけですので。それも古典と争うとかではなく、現在進行形で生まれる新作と勝負して、連載枠なり売上なりを競っていかなければならないわけですしね。

そしてこうした分野は漫画だけには留まりません。つい最近、ニュースになって驚いたのは、1955年に交通事故のため24歳の若さで死去した米俳優ジェームズ・ディーンが、CGなどを駆使して新作映画の準主役を務めることが発表されたことです。

ヤマハがAI技術を活用して生まれた、美空ひばりさんの歌声再現も話題になりました。新曲が披露されたり、生前にはこの世になかった「アナと雪の女王」の主題歌も歌われています。

こうした技術は、これからどんどん開発されていくでしょう。過去のレジェンド、VTuberなどのバーチャルキャラクター。現代を生きるクリエイターにとっては、これまでとは異なる次元の競争が待ち構えているのかもしれません。

これからは死後も代替わりしない住職が増えていく?

ほーりーの講演

少し前にお坊さんの研修会で、ほーりーが法話について語った話をブログにまとめました。

スタンダードで一流の法話は、これから活躍の場を失っていく

この記事の内容を3行でまとめると、以下の通りです。

○現在の世の中は超一流の価値が肥大化する一方で、一流も含めて価値は減じていく
○生身が大切という考えにとらわれ過ぎると、足元をすくわれる
○重複を必要としない一方で、多様性やロングテールは存在感を高める

ここで書いたことは、現代のお坊さんの中で一番法話が上手い人が一人いれば、同じ内容(あるいはスタイル)でみんな語っても、どんどん興味を持たれなくなっていくという提起です。なのでどこかでオリジナルの法話スタイルに挑戦しましょうというのが、ほーりーから伝えたことでした。

なのですが、ここでの想定はあくまで現代での重複不要社会です。ですがこれからはお釈迦様一人で十分とか、宗祖がいればオールオッケーとか、そんな時代になっていくのかもしれません。まあ、そこまでは極端としても、過去のお坊さんの書籍や法話音声があれば、目の前で生き生きと語ってくれる日は、きっと来るでしょう。

今は80歳くらいになっても住職を続けて、息子が50~60歳くらいになっても副住職のままで悶々としているなんて話を聞いたりします。

しかしいずれは慕われていた前住職が亡くなった後も、お寺の行事があるたびに法話が再現されて、次世代、あるいは次々世代くらいの住職は、自分が法話する場さえ与えられなくなるとかありそうです。

もしくは寺院消滅時代にお寺が無人になって、過去の住職があちこちで何百年も法話してくれるというほうが現実的かな。これを怖いと思うか、便利と思うかは意見分かれそうですが。

ということで、、、

今回の記事は、ほーりーの未来妄想日記みたいな話です。ただそれでも技術の進展って、私たちが思い描いているよりもはるかにとんでもないスピードで進んでいきます。

インターネットだって20年ほどで、世の中をガラッと変えました。AI(人工知能)やVR(バーチャルリアリティ)だって、現在は世界レベルで開発競争が進んでいます。シンギュラリティもすぐそこまで来ていると言われていますし。

そして生まれた技術は必ず汎用化していきます。パソコンやスマホがあっという間に一人一台になったように、コストは下がり、操作は簡単になって、誰でも使えるようになっていくでしょう。

その時に、お寺はどのように変わっていくか。いろんなことを夢想しながら考えてみるのも、時には意義あることですよ。

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