植物の種類が細かく書かれると、樹木葬は仏教と結びつきやすくなる
先日、埼玉県和光市にある満願寺で、樹木葬庭苑の開眼法要が行われたので参列してきました。
ほーりーが顧問を務める霊園会社・アンカレッジでは28カ寺目に提携させて頂いたお寺です。こちらは奈良時代に満願上人が建てたと云われている古刹で、室町時代の鰐口なども残されています。
しかし昭和期には檀家さんが20~30軒ほどと少なくなり、ひっそりとしたお寺となっていました。そこで跡を継いだ石井秀和住職が境内を整備し、お寺を地域の拠り所にしようと子ども食堂などにも力を入れられます。
さらに令和に入り、お寺を経営的にも支えつつより多くの方とご縁を結ぶため、樹木葬の造成を考えられました。アンカレッジとはコロナによる中断期間も含めて3年がかりで打ち合わせしながら、いよいよ今回の開苑にたどり着きましたよ。
当日は本堂で法要が行われ、多くの方がお参りに来られました。
植物の種類が細かく書かれると、樹木葬は仏教と結びつきやすくなる
アンカレッジの樹木葬は毎回、お寺の立地や境内の地形、ご住職のお考えなども反映させながら、様々なバージョンアップを図っています。そしてそのほとんどに出かけているほーりーですが、今回訪れてみてこれはいいなと思ったのは樹木の一つ一つにネームプレートが結ばれていたことでした。
まずは定番の桜から。一目見れば分かる人には一発で分かりますが、意外と判別付かない人も多いものです。ですがこうして「サクラ」と書かれていると、春になったらきれいそうとか、満開の時期にお参りに来てみようかなど楽しい気持ちになってきます。
秋になったら、紅葉です。こちらの「ノムラモミジ」は葉が赤く色づくモミジで、鮮やかな色彩に人気があります。
他にも「イロハモミジ」や「コハウチワカエデ」もありました。同じ紅葉でも色味が異なるため、華やかさはぐぐっと増しますね。
「キンモクセイ」はプレートを見るだけで、ふわっと匂いが漂ってくる気がします。条件反射で鼻孔がくすぐられるパブロフの犬状態です。
さらに「ハナミズキ」もありました。こちらを見るとほーりーは、自分の結婚式(披露宴)で流れた曲を思い出します。このように人によっては特別な植物はいろいろあるでしょうし、それはこうしたネームプレートでも喚起されます。
そして庭苑をぐるっと回ると、ハイノキ、トキワマンサク、シラカシ、サルスベリ、カラタネオガタマ、ヤマボウシ、アオダモ、オウゴンマサキ、ナツツバキ、ロドレイア、ミツバツツジ、アセビ、ゲッケイジュ、カクレミノ、イチゴノキ、フェイジョア、ヤマコウバシ、ソヨゴ、コデマリ、シャクナゲと、すっごい種類がありました。
たくさんの植物を植える石原和幸デザイン研究所のこだわり
アンカレッジでは庭園作りの超巨匠・石原和幸先生率いる石原和幸デザイン研究所に、樹木葬庭苑の設計をお願いしています。石原先生は国際ガーデニングショーの最高峰「英国チェルシーフラワーショー」で10個の金メダルを獲得し、エリザベス女王から「緑の魔法使い」と称された方です。
私はこれまでいろんなお寺や公共霊園で樹木葬を見てきましたが、この石原先生が監修したお墓にはパッと見ただけでもわかる他とは大きく異なる点があります。それは例え小さな庭苑でも、植物の種類がたくさん使われていることです。
これは石原和幸デザイン研究所の方から何人もお聞きしましたが、毎回数十種類の植物を使うことにはものすごくこだわりがあるそうです。植物の種類が豊富だと鳥や昆虫がよく飛んでくるようになります。それはお参りに来た方に、故人を思い出させるきっかけにもなります。
ひらひらと舞い降りてくる蝶やトンボは、昔から亡くなった家族やご先祖様の代わりともされてきました。そんな偶然の出会いも、植物の専門家はきっちり計算しているとのことです。
そしていろんな花が季節ごとに咲いてくれると、一年を通してお参りする楽しさが出てきます。ネームプレートはさらに咲いていない花さえも、彩り豊かにしてくれるものです。
ということで、、、
植物の名前をネームプレートで表示するなんて、シンプルすぎてあえて伝えることではないかもしれません。ですがほーりーみたいな植物の素人には、その魅力がとっても分かりやすくなるものでした。
アンカレッジはもともと「お参りしたくなるお墓」を目指して、怖くない優しい雰囲気を持つ樹木葬にたどり着きました。それこそ樹木葬が広がる前の最初期から始めていますし、どうしたらお参りにつながるかの試行錯誤も続けています。
そしてお墓から仏教へと結びつくことも、アンカレッジには大切なミッションです。仏教と関連の深い植物もたくさんありますし、植物の名前がわかることで住職さんによる樹木法話が始まっても面白いかもしれません。
ほんのちょっとした植物の名前表示ですが、そこから広がる可能性も無限大だとほーりーは考えています。