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コロナ禍での行動制限で追い詰められている方のデータまとめ

 ほーりーはコロナによって社会がどう変化しているかに、とても興味があります。その中でも人流の停止や縮小が経済をどう変えているか。そしてそれが人にどのような苦しみを与えているかを調べ続けています(そしてそれは結局、お寺や神社とどう関わるかという話につながりますが)。

 今年に入って一番きついと感じたのは、20代の自死自殺者数が増えたことでした。下は警察庁の発表した情報をグラフ化したものですが、2020年(コロナが広まり始めた年)から自死自殺者が一気に増加したのがわかります。

20代の自殺者数推移

 様々な対策により減ってきていた自死自殺者が、2020年から反転しました。なお、この状況の詳細は以下の記事で詳しく述べていますので、よろしければご覧ください。

 20代は他の年代より、コロナ(自粛・不況)で追いつめられている

 そしてこうした自粛のしわ寄せは、他にどのような方に及んでいるか。これからも続くとしたら、どんな人が危険な状態になっていくのか。それを様々なデータから考察したので、まとめてみます。

コロナ禍での行動制限で追い詰められている人たち

フリーランス

 まず最も単純に思いつくのは、経済的に行き詰ってしまった方です。厚生労働省が発表している生活困窮者の新規相談受付件数によると、2019年度まで例年20万件強で推移していたものが、2020年度に入って80万件近くと3倍以上に増えました。この件数が跳ね上がったということは、住む場所を失ったり働きたくても働けなくなった方が、一気に増えたことを示しています。

生活困窮者の新規相談受付件数
 
 そして実際にどんな方が困窮しているか。非正規雇用や低賃金での労働者などは分かりやすいですが、もう一つの観点からフリーランスで働いている方が浮かび上がります。

 独立行政法人労働政策研究が公開している『2019~2021年の3年間における個人年収の推移』によると、正社員・非正社員で年収が落ちた方は23~24%に留まります。これに対してフリーランスは42.5%にも上っていました。

2019~2021年における個人年収の推移

 「フリーランス」と一口に言っても、働き方は多岐に渡ります。そしてその多様さこそが、支援の手を差し出しにくくしている理由でもあります。

 公的な支援はこうしたフリーランスの特性と、相性があまりよくありません。実際に行政による補助事業でも実態にそぐわない書類の提出が求められ、申請をあきらめざるを得なかった方は出ています。

 さらに言えば固定給のないフリーランスは、情勢次第で収入がどこまでも落ちる危険があります。安定した職に就けと言うならそれまでですが、全ての人が手堅い職業だけ求めるようになったら社会から活力は失われていくでしょう。

女性

 女性もまた、コロナの影響を多大に受けている当事者です。以前、バブル崩壊後と比べて、コロナ後は女性も自死自殺者が増えていた事象をまとめました。

 バブル後と異なり、コロナ不況の自死自殺は女性も増えていく

 この要因は「女性就業者数」「未婚率」「貧困率」の3つの変化があります。これらによって、女性は不況の影響をバブル時代よりもはるかに受けやすくなっていました。

 そして経済要因以外では、DV(配偶者暴力)が増加したことも指摘されています。内閣府男女共同参画局による『DV相談件数の推移』によると、2020年度の相談件数は2019年度の約1.5倍となっていることが記載されていました。

 これは2020年4月に『DV相談プラス』という窓口が設置され、相談しやすい環境が整えられた面もあるため、単純にDV件数が1.5倍増えたとまでは言えません。ただ緊急事態宣言中の自粛生活がパートナーへの暴力を引き起こしやすくしたことも、要因として挙げられています。

DV相談件数の推移

学生と子ども

 高校生や大学生・大学院生にコロナ禍がどのような影響をもたらしたかは、日本赤十字社が『新型コロナ禍と若者の将来不安に関する調査(2021年)』で公表しています。

新型コロナ禍と若者の将来不安に関する調査

 コロナ禍で生じた若者の気持ちの変化を問いかけた質問では、「何もしたくなくなる、無気力」に半数近く、「孤独を感じ1人でいるのが不安」に約3割の方が当てはまると答えていました。またこれらに対して保護者の8割は子どもから相談を受けたことがなく、その悩みを把握できていないと指摘されています。

 私も大学生とお会いした時、サークルに入る機会を逃してしまい、オンライン授業でキャンパスに行く機会も少なく、友人がまともに作れていないという話を聞きました。

 また高校生が入学してから友人の顔をマスクで知ることもできないまま卒業してしまうという不安を、インターネットで上で吐露しています。コロナが広がって2年強が経ちますし、これは学校生活を全て変えてしまうほどの長さです。私たちが当然のように謳歌していた青春も、今の学生には望めないものになってしまっているのでしょう。

 さらに深刻に感じるのは、乳幼児や小学生などへの影響です。低年齢層に目を向けると、喜怒哀楽が分からずけんかが増えたという報告が専門家から出ています。また毒ガスを恐れて国民の多くがガスマスクをしていた第2次世界大戦中のイギリスでは、当時の赤ん坊が20~30年後に大人になって、風俗産業でガスマスクをつけた女性を好む男性が急増したという話もあるそうです。

 幼少期にマスクを着けて生活することが、成長過程でどのような悪影響を及ぼすかはまだまだ未知の話です。しかし私自身はそんな醜悪な社会実験に子どもたちを巻き込むのは忍びないと考えています。

ということで、、、

 コロナによる感染の拡大と収束は行ったり来たりです。このところようやく落ち着いてきたかなと思ったものが、また広がり始めていて、再び活動停止論が生まれ始めています。

 ですがほーりーはこのブログで何度も書いた通り、経済の落ち込みによる死のリスクが、病気のリスクをはるかに上回ることを危惧しています。そして自ら命を絶つ方の陰には、そこまでいかずとも苦しむ方がたくさんいます。

 今回の記事のようにデータを見ると、それは20代の若者やフリーランス、女性、子どもと、これから未来を作り上げていく人が多く含まれています。こうした方の立場を思いやることも、これからますます社会に必要になっていくでしょう。

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