オープン後、人気が出やすい宿坊の6つの特徴
先日、宿坊開設をテーマにディスカッションしていた時、新しくオープンしてから軌道に乗りやすい宿坊の特徴は何か? という質問を受けました。その時にあの宿坊はこんな部分に人気がある、この宿坊はこんな要素が好評を得ていると、いろんな宿坊について話をしました。
そして話が終わった後に改めて振り返ってみたら、複数の共通要素が見えてきました。そんなわけでほーりーの振り返りも兼ねて、今回は人気が出やすい宿坊の特徴を紹介します。
オープン後、人気が出やすい宿坊の6つの特徴
写真映えする
まずは写真(動画も含む)について。客室や建物、お寺、神社の境内、本堂の中など、写真映えする宿坊は人気が出やすいです。これはその場所自体の魅力もありますし、撮影テクニックを駆使した写真マジック的なところもあります。
後は単純に物量的な要素もあります。数枚の写真しかない宿坊より、たくさん写真を見ることができた方が、より魅力が伝わりやすいものでしょう。
上の写真は京都にある大泉寺の客室ですが、龍の絵が描かれた障子は迫力ありました。また最近は様々な宿坊で、客室に工夫を凝らされているのを感じます。
日本人向け、外国人向けという趣向の違いもありますが、宿坊もデザインに一工夫を加えたり、最初にプロカメラマンに素材写真を撮って頂くのは良い方向に進むと思います。
体験が充実している
宿坊は寺社ならではの体験に参加できることが魅力です。朝のお勤め、坐禅や写経、お坊さん・神主さんとの会話、宝物拝観などは、宿坊に泊まりたいと思わせてくれる大きな動機になります。
また滝行のように他ではできない修行や、イタリアン精進料理、スイーツ精進料理と言った独自性のあるものは、飛び道具的に注目が集まります。
多様な体験メニューをそろえたり、先に紹介した写真映えと合わせて、内容を分かりやすくウェブサイトに載せておくのも、興味を持たれやすくなるでしょう。
都心から離れた立地
東京や大阪、京都の街中に宿坊があれば人気が出るか? これはちょっと議論が白熱したテーマでした。ほーりーの答えは間違いなく人気は出るだろうけど、そのような場所は宿坊開設までのハードルが高いというものです。
税金や規制などの壁もあり、こうした場所に宿坊が作られるケースは限られています。特に固定資産税は無視できません。このため都心部ではどうしても、部屋数の多いホテル形式になりがちです(それが悪いわけではありませんし、そうした宿坊にもほーりーは宿泊しますが)。
また宿坊は旅行需要が大半なので、ビジネスホテルのように都会の駅近くにあることが必須なわけでもありません。その意味では地方で人気観光地付近にある寺社や人里離れた立地でも、魅力が伝わりやすいと思っています。
上に載せた秩父の山奥にある大陽寺は、半径5km以内に人が住んでいないような場所にある宿坊ですしね。もちろんここは極端すぎる立地によって注目が集まった部分もありますが、それでも電車とバスを乗り継いででも行こうと思われるからこそ訪れる方は多くいます。
宿坊の方の人柄
当然と言えば当然でしょうが、お坊さんや神主さんの人柄は、宿坊の人気を大きく左右します。そしてその人柄が伝わるためには、宿泊者との接点が必須です。
これは予約を受ける段階から始まることもありますし、チェックイン時や修行体験、朝のお勤め時などでコミュニケーションを取ることもあるでしょう。
またもっと積極的に宿泊者と話をする時間を設けたり、一緒に食事やお酒を呑んだり、さらにはディープな人生相談を受け付けられている宿坊もあります。そして宿泊者が帰られた後も、LINEやメルマガ、SNSなどで定期的にコミュニケーションが取られています。
あの方と会いたい、話にいきたいと言うのは、旅行をする上でも重要な要素です。ウェブサイトに住職の写真が出ていることは大切ですし、宿泊された方と積極的に関わることは、リピーターになってくれる可能性も高めてくれるでしょう。
言語対応
コロナ禍の鎖国状態が終了して以降、海外からの訪日旅行者は回復してきました。そしてインターネット上で多言語での予約可能な宿坊には、多くの宿泊者が訪れています。
そして宿坊を営まれているお坊さんや神主さんは、語学が堪能な方ばかりではありません。苦手な方でも事前に用意した資料や翻訳アプリなどを使うことで、対応できている宿坊はあります。
また困った時には公的機関が用意している、電話での翻訳サービスもあります。例えばほーりーが企画作りでご一緒している二尊院がある山口県には、『やまぐちコールセンター』というものがあります。これは外国の方とのコミュニケーションが困難な場合に、電話をするとスタッフの方が代わりに対応して頂けるものです。24時間365日受け付けられており、22言語に対応されています。またサービス料も無料です。
他の地域でもこうしたサービスがあるか調べておけば、いざという時の安心材料になるのではないでしょうか。
一生懸命宣伝している
宿坊は寺社に泊まるというコンセプトから、魅力が伝わりやすい宿泊施設です。ただそれでも一生懸命PRをしなければ、やはり知られることすらありません。
宿坊によっても異なりますが、宣伝方法はほーりーが見ている限り、大きく3つに分かれます。
○自分で宣伝(ウェブサイトやSNS、メディアへのプレスリリースなど)
○他社への宣伝依頼(宿泊プロモーションの請負会社など)
○宿泊予約サイトへの掲載(じゃらん、楽天トラベル、Airbnbなど)
現実的にはどれか一つではなく3つの組み合わせになりますが、割合は各宿坊によって大きく異なっています。この辺は以下の記事もご参照ください。
メディア取材が100件突破した青森県の宿坊・普賢院の広報戦略
宿坊オープンから2ヶ月で、山口県・二尊院が14件のメディアに登場
コロナが5類に移行して1カ月、宿坊が取材ラッシュを受けている
ということで、、、
コロナ禍が落ち着いて以降、宿坊開設ニュースをまた各地で見かけるようになりました。この流れがもっと続いてくれたらと思いますし、ぜひ多くの方と一緒に宿坊旅行を楽しめたらと考えています。
宿坊開設を考えている寺社の方ともグループを作っていたりするので、ご興味ありましたらぜひご連絡くださいませ。