京都のカプセルホテルが一泊2万円。これは宿坊にも追い風となる!
月に一度のペースで関西に出かけているほーりーですが、今月の京都には目の玉が飛び出ました。宿を探していたら、普通のビジネスホテルがあちらもこちらも一泊2万円超えしておりました。いやー、なにこれ。怖い。
そしてさらに驚いたのが、ゲストハウスで1万5000円超えしていたことです。ドミトリー(相部屋形式)って3000円とか、そんな感じじゃなかったっけ。
あと、カプセルホテルも2万円になっていました。批判みたいになったらいけないので貼りませんが、ほーりーのパソコンにはスクリーンショットも保存しています。ここに泊まるなら普通に旅館で温泉入って、おいしい食事を食べたくなりますね。
そういえばコロナ禍真っ最中に、一泊1円のホテルに泊まったことがありますが、時代は変わったものです。そんなわけでビジホやカプセルに2万円出すのは厳しいので、今月は大阪に宿泊しました(大阪もそこそこ値上がりしていましたが)。
訪日旅行者と円安の状況
なんでこんなことになっているのか。理由は説明するまでもなさそうですが、外国人旅行者の増加と円安です。そこに桜と土曜日という複数の要因が合わさって、一気に値段が上がりました。
ちょうど先日、お坊さん研修会で講師をした時にまとめた資料で紹介すると、外国人旅行者はコロナ禍を終えて増加しています。というか、びっくりするほど急上昇です。
また、日本円を各国主要通貨と比べると、ほぼすべてで円安となっていました。例外はトルコリラ、南アフリカランド、ロシアルーブルくらいです。
そしてこうした流れで2024年3月の訪日客数は308万1600人となっており、過去最高と報道されました。また24年1~3月期の旅行消費額(速報値)は1兆7505億円で、こちらも四半期ベースで過去最高となっています。
宿泊料金の上昇は、宿坊にとって追い風となる!
以前、コロナが落ち着いたらホテルの宿泊料は上がっていくだろうという記事を書きました。また各地の宿坊の方が集まった『オンライン宿坊サミット』でも、同じ話をしています。
コロナ後の宿坊は、地方需要増大・宿泊費上昇・長期滞在化が進む
この内容はコロナが終息した後、以下の3ステップで旅行環境が変わっていくという予測です。
○短期的には安心優先(3密回避)
○中期的には宿泊価格が上がる
○長期的には宿泊日数が延びる & 需要が分散される
人や地域にもよりますが、安心優先フェーズは終わってきています。そして現在起こっていることが、まさに「宿泊価格が上がる」です。
さらに京都もそうですが、宿坊の聖地と言える高野山でも、観光客が多くなりすぎて問題が発生しています。そこでいよいよ「入山税」の導入方針が示されました。
産経新聞によると「高野山(和歌山県高野町)で、町が観光客に課税する法定外税を令和10年4月にも導入する方針を示した。オーバーツーリズム(観光公害)対策を目的に、「入山税」のような形式になる予定」とのことです。
日本人にとっても海外の方にとっても、激混みの観光地は敬遠されます。このため次の需要分散も、これから進んでいくと考えられます。
なので単純に宿泊料金も上げやすくなりますし、観光地から外れた場所や交通不便な過疎地にも人が来やすくなります。こうした流れは宿坊にとって、強力な追い風となるでしょう。
実際に宿泊料金を上げながら予約者が増えている本州最北端の宿坊・普賢院なんて例もありますし。
コロナで大ダメージ受けたのに、予約が前年比1.5倍の宿坊普賢院
先日は北海道新聞に、道内の宿坊について私が話したインタビューが掲載されました。また様々な地方新聞に記事が配信される時事通信で、宿坊をテーマにした連載記事も書いています(全12回の予定です)。
これまでコロナ自粛でさんざんな目に遭っていた宿坊ですが、ここからが新たなスタートです。
ということで、、、
宿坊の料金が上がっていくなんて話を聞いても、嬉しくないよ! という方も(たくさん)いるでしょう。もちろんこれはほーりーのお財布的にもダメージです。
ただ10年くらい前まで「お寺の宿は安くあるべき」という風潮があまりに強すぎて、ブームと言われながらも宿坊は数を減らしていました。
それが高価格帯の宿坊が生まれてきたことで、各地に宿坊が作られるようになった話を、これまで何度も記事にしています。宿泊価格が不当に低いと、宿坊自体が消えていくので、この流れは旅行者にとっても歓迎する側面があります。
そんなわけで京都で2万円のホテルに泊まるなら、ちょっと遠出して宿坊に泊まった方が素晴らしい旅行になること請け合いです。ここ数年旅行に出ていなかったという方は、ぜひ宿坊研究会を見て、旅行計画を立ててみてはいかがでしょうか?