2020年の宿坊で起きた出来事を振り返ってみました
2020年もいよいよ最終日です。ここまで幾つか振り返り記事を書きましたが、最後は宿坊に焦点を絞ってまとめてみます。
まず2020年の宿坊について、大まかな内容を箇条書きすると以下の通りです。
○日本が宿坊に本気になった!
○コロナを機に、宿坊サミットを開催
○宿坊開設に興味を持つ方が増えた
○オンラインでの宿坊イベントも誕生
○2021年は宿坊復活ののろしが上がる?
これらを一つ一つ、語っていきま~す。
2020年の宿坊で起きた出来事を振り返ってみました
日本が宿坊に本気になった!
2019年の観光白書に「寺泊」が盛り込まれ、宿坊は国策として推進していくことが決定しました。そして今年はその流れが具現化し始めています。
特に注目を集めたのは、観光庁が始めた以下2点のプロジェクトです。それぞれブログで紹介した記事のリンクを載せておきます。
既存の宿坊には、インバウンド対応に補助金が助成されることになりました。そしてこれから宿坊を作る方には、相談に乗ってくれるアドバイザーが派遣されています。
コロナを機に、宿坊サミットを開催
ほーりー周りでは緊急事態宣言が発令された4~5月は、宿泊者がいなくなったという話があちこちから聞こえました。(宿坊ではありませんが)私も寺社コンは軒並み中止になりましたし、宿泊業やイベント関連はみんな同じだったと思います。
そこで5月に各地の状況を連携し、今後の対策を考えようということで、『宿坊オンラインサミット』を開催しました。
宿坊オンラインサミット開催。コロナの中で、希望の見える一日でした
先の見えない状況で頑張っている他の宿坊仲間と話せたことは、お互いに大きな刺激があったと参加された方からはお言葉を頂きました。またこれを機に山陰の宿坊でネットワークが組まれるなど、地域や宗派をまたいだ横連携が生まれたことは、大きな収穫です。
宿坊開設に興味を持つ方が増えた
今年の8月に山口県・二尊院が宿坊をオープンさせました。そして2021年1月には福井県・安楽寺でも宿坊がスタートします。
宿坊オープンから2ヶ月で、山口県・二尊院が14件のメディアに登場
日本各地で宿坊を作ろうという動きは加速しています。そこで今年は宿坊を開設したい寺社の方が集まるfacebookグループも立ち上げました。
また現在はまだ内部で計画中ですが、1/27(水)15時開始予定で上記二ヶ寺の住職と宿坊開設の現場を学ぶ『宿坊オンライン内覧会』を開催する予定です。
こちらについては詳細が決まり次第、またこのブログでお知らせしていきます。
オンラインでの宿坊イベントも誕生
コロナによって世の中に広まったものに、オンラインイベントがあります。そして宿坊でも目立った企画が二つありました。
一つは『オンライン坊主バー』、もう一つは『クラウドホテル』です。こちらはそれぞれ紹介記事を書いていますので、よろしければご覧ください。
2021年もまた、こうしたオンライン企画は増えていくのではと思います。
2021年は宿坊復活ののろしが上がる?
コロナによって4~6月の宿泊者がいない間に客室などのリノベーションを行い、7月以降に宿泊料を12000円から18000円に値上げしたのに予約が1.5倍も増えた青森県の普賢院は周りに勇気を与える存在でした。
コロナで大ダメージ受けたのに、予約が前年比1.5倍の宿坊普賢院
また熊本県・了廣寺さんも月刊住職の記事を書くので取材させて頂いたら、7~8月の宿泊者数は昨年の6割ほどだったと教えてくださいました。熊本県全体では3割5分~4割ほどとの報道がありましたので、他のホテルや旅館と比べても戻りが早かったと言えます。
ほーりーはコロナを経て、宿坊はこれからさらに存在感を高めると考えています。詳細は以下の記事をご覧頂ければと思いますが、ウィズコロナ、アフターコロナの新たな旅行需要は、以下のものです。
○短期的には安心優先(3密回避)
○中期的には宿泊価格が上がる
○長期的には宿泊日数が延びる & 需要が分散される
コロナ後の宿坊は、地方需要増大・宿泊費上昇・長期滞在化が進む
これらは全て、宿坊には有利に働きます。もちろんしばらくはコロナの状況やGOTOトラベルキャンペーンなどで右往左往するでしょうが、目線を先に置けば宿坊は新たな一歩が踏み出せるでしょう。
ということで、、、
宿坊研究会もアクセスは一時期半減近くまで落ち込んだものの、今年の後半に入って去年以上に伸びるまで復活しました。
2021年も順風満帆とは行かず、試練の年にはなるでしょうが、希望が持てるハードルだけに乗り越え甲斐があります。
そして各地の宿坊や寺社好きな旅行者、そして企業や国なども含めてみんなで宿坊を盛り上げていけたらと思います。
それでは皆様。良いお年を!